ロックドリル部門:国内市場向け油圧クローラドリルのデラックスモデルを販売開始 ~新制御「iDSⅢ」と新型キャビンにより、せん孔性能・作業性・安全性を向上~
2026年10月22日
■サマリー
・古河ロックドリルは、国内市場向け油圧クローラドリルの新デラックスモデル「HCR Dシリーズ」の販売を開始。
・新せん孔制御システム「iDSⅢ」と新型キャビンの採用により、せん孔性能・作業性・安全性を向上。
・共通プラットフォームの採用によって品質・保守性を高めるとともに、排出ガス規制に対応したクリーンエンジンや燃費改善技術を搭載し、環境性能と経済性も強化。
当社(本社:東京都千代田区、社長:中戸川 稔)グループの中核事業会社で、ロックドリル部門を担う古河ロックドリル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:北川 隆行)は、国内市場向け油圧クローラドリルのデラックスモデル「HCR Dシリーズ」の販売を開始しました。
「HCR Dシリーズ」は、2025年9月に国内市場向けシンプルモデルとして販売を開始した「HCR A70」、および2026年7月に東南アジア市場向けとして販売を開始したシンプルモデル「HCR Aシリーズ」と同じ共通プラットフォームを採用しています。基本設計・主要部品の共通化により、生産性、品質、保守性の向上を実現しました。
また、本シリーズは、順次ラインアップを拡充していく予定です。第1弾として、「HCR D80-F5」を2026年9月より販売開始したほか、「HCR D70-F5」は2026年中、エクステンションブーム仕様の「HCR D80-E5」は2027年初頭の発売を予定しています。
国内市場向けデラックスモデルの後継機として開発した本シリーズは、共通プラットフォームの採用による品質・保守性の向上に加え、従来のせん孔制御システムiDS(Intelligent Drilling System:インテリジェントドリリングシステム)をさらに進化させた「iDSⅢ」を搭載しています。岩質の変化に柔軟に対応し、せん孔操作の容易化を実現しました。
さらに、新型キャビンおよびクリーンエンジンの採用により、高いせん孔性能と優れた作業性、安全性を実現しています。これにより、国内の砕石場・鉱山・爆砕業におけるさらなる生産性向上に貢献します。
古河ロックドリルは、「HCR Dシリーズ」を通じて国内における資源開発やインフラ整備を支え、お客さまの生産性向上と事業発展に貢献していきます。
図1 油圧クローラドリル「HCR D80-E5」
油圧クローラドリル「HCR Dシリーズ」
「HCR Dシリーズ」は、独自に開発した新電子制御システムを搭載し、従来のせん孔制御システムiDSをさらに進化させた「iDSⅢ」を標準装備しています。これにより、きめ細かな制御が可能となり、せん孔作業に不慣れなオペレータでもスムーズに作業できるよう、サポート機能を強化しました。
また、環境負荷のさらなる低減を目的に、排出ガス5次規制(オフロード法2014年基準/EPA Tier 4 Final/EU StageⅤに対応)に適合したクリーンエンジンを採用しています。加えて、新電子制御システムによる各機器の出力を最適化することで、従来機と比べて燃費性能の向上を実現しました。
さらに、新型キャビンを開発し、従来機以上の居住空間を確保しました。各種操作レバーには、最新の360度方向レバーを採用し、従来のせん孔操作系を継承しつつ、新機能をより直感的に操作可能としています。機体情報はすべて10インチのインテリジェントモニタリングシステム(iMS)に表示されます。安全性についても、従来のバックモニター(オプション)に加え、AIカメラおよびサラウンドビュー(オプション)を搭載することで、全周囲の確認が可能となり、更なる安全性の向上を図りました。
クーリングシステムには吐出式を採用し、エンジンルーム内の温度低減を実現するとともに、熱による部品劣化を抑制します。また、機体後方の張り出し部分(オーバーハング量)を短縮したことで、階段状に設けられた狭い作業場所(ベンチ)でも周囲との干渉を抑えながら作業が可能です。
油圧クローラドリル「HCR Dシリーズ」の特長
(1)高いせん孔性能を実現する油圧ドリフタ「HD800シリーズ」
油圧ドリフタ「HD800シリーズ」は、1打撃あたりのエネルギーを確保しつつ打撃数を高める設計により、単位時間あたりの出力を向上させ、優れたせん孔性能を実現します。
さらに、デュアルダンパ(特殊構造の衝撃緩衝装置)を装備しており、打撃時の衝撃エネルギーを緩和するとともに推力を最適化することで、空打ち※1やロッドなどの消耗を抑制します。
図2 油圧ドリフタ HD822
※1 ビットが岩盤に押付けられていない状態での打撃。ロッドをつなぐネジ部が摩擦により発熱し、破損に至る
(2)「iDSⅢ」
従来のせん孔制御システムiDSをさらに進化させ、油圧・空圧センサーとせん孔プログラムを活用することで、岩質の変化に伴って生じる回転圧、フラッシング圧(岩粉を排出するための空気圧)、フィードスピード(ドリルの前進速度)の異常値を検知し、打撃・回転・フィード・フラッシングを自動で最適制御し、ジャミング※2を回避しながら安定したせん孔を実現します。
また、せん孔に不慣れなオペレータでもスムーズに作業できるよう、オペレータの操作を支援し、安定したせん孔作業を実現します。
※2 岩石が安定しない破砕帯等により、せん孔中にビット(ドリル先端部)が地中でとられ、せん孔が進まなくなる現象
(3)環境対応と低燃費を実現するクリーンエンジン
窒素酸化物(NOx)を低減する尿素SCRシステムと、一酸化炭素、炭化水素、粒子状物質(PM)を低減・除去するディーゼル酸化触媒(DOC)およびディーゼル・パーティキュレート・フィルタ(DPF)を装備しており、国内の特定特殊自動車排出ガス規制(オフロード法2014年基準)に加え、米国EPA Tier 4 FinalおよびEU StageⅤに適合しています。
搭載エンジンには、コンパクトな4気筒ターボチャージャ/アフタークーラ付きディーゼルエンジンを採用し、高い出力性能を発揮します。さらに、油圧・空圧システムの改善によりエネルギー効率を高め、従来機に比べて燃費性能が大幅に向上しています。
図3 ディーゼルエンジン
(4)作業性を高めた新型キャビン
新型キャビンは、現行機に対して幅を50mm拡大するとともに、内部構造の見直しにより、従来以上の居住空間を確保しています。
せん孔レバーにはジョイスティックレバーを採用し、360°方向に機能を割り当てることで、さまざまな操作をワンレバーで行うことが可能で、ロッドのねじ継ぎ・ねじ切りに加え、「iDSⅢ」せん孔の切り替えまでをシームレスに操作できます。
また、ブームおよびガイドシェルの操作レバーは、従来の4本レバーから2本に集約しました。姿勢を変えることなく両手で同時操作が可能となり、直感的な作業性を実現しています。
図4 新型キャビン
(5)10インチ大画面モニタ「iMS」
「iMS(インテリジェントモニタリングシステム)」には、タッチパネル式の10インチ大画面モニタを採用し、機械の状態、せん孔中の各種パラメータ、エラー情報などを一つの画面に集約。オペレータが機械状態を直感的に把握できるようにしています。
さらに、ロッド本数やロッドチェンジャの状態に加え、せん孔速度グラフから孔内状況や岩質の変化も確認可能で、安全で確実なせん孔作業をサポートします。
図5 iMS(インテリジェントモニタリングシステム)
(6)周辺モニタ
カメラの高画質化とモニタの大画面化により、視認性を向上させました。これに加え、AIカメラおよびサラウンドビュー(オプション)を搭載することで、全周囲の状況を確認可能とし、安全性を高めています。
また、後進走行時や旋回操作時には、自動的に後方映像へ切り替わります。さらに、カメラごとに表示画面を切り替えることも可能です。
図6 周辺モニタ
(7)吐出式クーリングシステム
吐出式クーリングシステムの採用により、エンジンルーム内の温度上昇を抑制しています。これにより、オイルホースや電気配線の被覆などの非金属部品の劣化を抑制します。
図7 吐出式クーリングシステム
(8)コンパクトで取り回しの良いボディ
コンパクトなエンジンと共に、機体後側のオーバーハング量を従来機比約100mm 短縮しました。狭い切羽(トンネル工事の先端の掘削面)や路盤の凹凸の激しい作業現場でも、周囲との干渉を抑えながら作業することができます。
(9)稼働サポートシステム F-MICAS に対応
ICT 技術により、稼働状況をリアルタイムに、オフィスで確認できる稼働サポートシステム「F-MICAS」※3に対応しています。作業や機体の管理を効率化し、稼働の安定化と効率化に貢献します。
図8 稼働サポートシステム F-MICAS
※3 新技術情報提供システム「NETIS」登録№KT-250004-Aに登録されました
主要諸元
主要諸元
| モデル名称 | HCR D70-F5 | HCR D80-F5 | HCR D80-E5 |
|---|---|---|---|
| 質量 (ROPS/FOPS 仕様) |
11,860kg | 12,810kg | 13,240kg |
| 全長 × 全幅(輸送時)× 全高(輸送時) | 9.18 x 3.41(2.46) x3.15(3.06)m | 9.32 x 3.45(2.47) x 3.11(2.95)m | 9.89 x 3.25(2.47) x 3.34(3.00)m |
| 搭載ドリフタ | HD818 | HD822 | |
| 打撃数 | 2,800~3,400min-1 | 2,700~3,300min-1 | |
| エンジン | クボタ V5009-T (国内 オフロード法 2014年基準 /米国 EPA Tier 4 Final / EU Stage V 適合) 155kW/2,200min-1 |
||
| コンプレッサ | 6.1m3/min, 1.03MPa | 7.8m3/min, 1.03MPa | |
| ブーム | フィックス | フィックス | エクステンション |
| ロッドサイズ | 32H, 38R, 45R x 3,050, 3,660mm |
T38, T45, T51 x 3,050, 3,660mm |
|
| ロッドチェンジャ 格納本数 | 5 | 5(T38,T45) / 4(T51) | |
| せん孔径 | Φ64~89mm | Φ64~102mm | |
補足資料
参考リリース
ロックドリル部門:東南アジア市場向け油圧クローラドリルを開発・販売開始 ~高い信頼性と優れたメンテナンス性で砕石現場の生産性向上に貢献~
https://www.furukawakk.co.jp/info/2026/20260807_post_212.html
ロックドリル部門:油圧クローラドリルの共通プラットフォーム化モデルを販売開始 ~機体性能の最適化と生産性向上を実現~
https://www.furukawakk.co.jp/info/2025/20250919_post_177.html
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