気候変動

気候変動への取り組み

古河機械金属グループは、気候変動に伴うリスクと機会を重要な経営課題であると認識し、温室効果ガスの排出削減などに取り組んでいます。
当社グループは、2023年8月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1)」提言へ賛同表明し、TCFDコンソーシアムに加入いたしました。

  1. ※1Task Force on Climate-related Financial Disclosures

TCFD提言に基づく情報開示

TCFD提言は、四つの開示要素である「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」に沿って情報開示することを推奨しており、当社グループもTCFD提言が求める四要素に基づいた情報開示の更なる拡充に取り組んでまいります。

ガバナンス

気候変動に関する諸課題への対応については、当社代表取締役社長が議長を務めるサステナビリティ推進会議で審議され、審議内容は取締役会に答申されます。
サステナビリティ推進会議は、当社グループの気候変動対応に関する基本方針・活動計画の策定、推進体制の整備、活動状況の検証・評価、教育・広報対策などを審議します。同会議は、当社取締役、各中核事業会社社長に加え、当社の環境安全管理委員会委員長(環境安全統括部長)とサステナビリティ推進部長等が委員を務めています。サステナビリティ推進部と環境安全統括部は、同会議での審議内容や指摘事項を踏まえたうえで気候変動対応に関するグループ戦略の立案、目標管理、気候関連移行計画(ロードマップ)の策定などを実施し、執行部門であるグループ各社や当社の各部署との連携を図り、計画・実行・評価・改善のPDCAサイクルを展開しています。
グループ各社や当社の各部署が気候変動対応を執行する際には、重要度に応じて、当社経営会議、取締役会等の機関決定を経ており、その進捗状況や結果がサステナビリティ推進部担当取締役から取締役会に随時報告されることにより、取締役会の監督が図られています。

気候変動対応のガバナンス体制図

組織・会議体と役割
取締役会
  • 気候変動対応に関するサステナビリティ推進会議への諮問および答申された事項の審議
  • 気候変動対応に関する重要な事項の決議および執行の監督
サステナビリティ推進会議
  • 気候変動対応に関する基本方針・活動計画の策定、推進体制の整備、活動状況の検証・評価、教育・広報対策などの審議
  • 原則年1回、必要に応じて都度開催
サステナビリティ推進部
環境安全統括部
  • 気候変動対応に関するグループ戦略の立案、目標管理、気候関連移行計画(ロードマップ)の策定など
  • 気候変動対応の執行部門との連携を踏まえたPDCAサイクルの統括
古河機械金属(株)各部署
中核事業会社
  • 執行部門として気候変動対応のPDCAサイクルの展開

戦略

当社グループは、多数の事業を展開しており、気候変動に伴うリスクと機会は事業ごとに異なると認識しております。そのため、気候変動が与える影響と事業の売上規模の二つの観点から、部門別に順次シナリオ分析を行うこととし、第一段階として、2023年2月から6月にかけて、ロックドリル部門と金属部門についてシナリオ分析を実施しました。
シナリオ分析では、IEA(国際エネルギー機関)等の科学的根拠等に基づく1.5℃シナリオと4℃シナリオを設定し、2030年と2050年の時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。
他部門についても順次シナリオ分析を進め、また今般対象とした部門についても継続的にシナリオ分析の見直しを行い、これらのリスクと機会について、適時・適切に開示していきます。

設定
シナリオ
世界観
1.5℃シナリオ
移行面でのリスクおよび
機会が顕在化
⇒2030年を想定
  • 日本政府による温室効果ガス排出規制や炭素税の導入推進に起因するコスト増加のリスクがある。
  • 環境負荷の少ない製品に注目が集まり、EV 車や再生可能エネルギー施設向けの素材や、省エネルギー性能の高い製品の収益増加の機会が見込まれる。
4℃シナリオ
物理面でのリスクおよび
機会が顕在化
⇒2050年を想定
  • 異常気象による自然災害の増加や気温上昇の影響が顕在化し、事業所やシステム設備の被災リスクや、資材調達が困難となる結果として原料価格高騰など、コスト上昇のリスクがある。
  • 異常気象に対する技術的対策や投資が進み、関連製品・技術・サービスの収益増加の機会が見込まれる。
今次分析対象範囲:ロックドリル部門( 対象会社:古河ロックドリル(株))
金属部門(対象会社:古河メタルリソース(株))
※ 2部門合計売上比率68.7%(2022年度実績)

(1)リスク一覧・機会一覧

当社グループは、気候変動に関連する様々なリスクと機会について、古河ロックドリル(株)、古河メタルリソース(株)、当社の関係部署およびサステナビリティ推進部が協働で分析し、検討してまいりました。認識したリスクと機会のうち、事業への影響度が「中」以上のものを以下に記載しています。
<影響度>
 大:当社グループへの影響が非常に大きい。
 中:当社グループへの影響はあるが限定的。
 小:当社グループへの影響はほとんどない。

リスク一覧
リスクの種類 リスクの内容 定性評価 対応策
1.5℃ 4℃
リスク 移行リスク 政策・
法規制
炭素税の導入により、輸送などの燃料調達コスト、生産コスト、運用コスト(施設電気、配送時排出温室効果ガス対応費)が増加する。 再生可能エネルギー化、省エネルギー化、製品の環境負荷低減により対応
  • 太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用
  • LED照明や省エネルギー設備の導入、製造プロセスの見直しや生産設備の温室効果ガス排出抑制強化によるエネルギー効率の向上
  • リサイクル可能な素材の使用や製品の長寿命化による製品の環境負荷の低減
  • EV車両など環境配慮車両の拡大
  • 非化石証書購入等による温室効果ガス排出低減
技術 環境負荷の低い製品を好む市場のニーズに応えられず、売上が低下する。 環境負荷の低い製品への転換
  • 取引先と協力し、環境負荷の低い製品の製造・開発
市場 電力会社の電源構成に占める再生可能エネルギーの比率が上がることで、電力価格が上昇し、操業コスト増加する。 再生可能エネルギー電源の推進による電力価格削減 / 再生可能エネルギー化や省エネルギー化、製品の環境負荷低減による対応
  • 社内におけるCO2係数ゼロの再生可能エネルギー電源の推進による電力価格削減
  • LED照明や省エネルギー設備の導入、製造プロセスの見直しや生産設備の温室効果ガス排出抑制強化によるエネルギー効率の向上
物理リスク 急性 異常気象(洪水等)により事業所や工場が停止し売上が減少、または復旧コストが増加する。 被害の最小化 / 災害が発生した際の適切なマネジメント
  • 複数輸送手段の確保
  • 取引先の分散および異常気象が発生した際の損害の最小限化
  • 工場の浸水対策の強化
  • 取引先・拠点における水リスク評価の定期的な実施 / 洪水や浸水が発生した際のリスクマネジメントの徹底
  • 被害が発生した際の支援体制・報告体制としてのBCP対策
機会一覧
機会の種類 機会の内容 定性評価 対応策
1.5℃ 4℃
機会 市場 脱炭素に貢献する機器需要増加に伴い売上が増加する。
  • 需要に応じるための設備投資
異常気象による災害発生後の復興のため、製品の需要が生じる。
  • 需要に応じるための設備投資および製品開発
技術 省エネルギーに貢献する製品の売上が増加する。
  • 取引先との協働による省エネルギー製品の拡充

(2)関連するシナリオに基づくリスクと機会および財務影響とそれに対する戦略・レジリエンス

今回のシナリオ分析では、パラメーターや財務影響の算定に必要なデータの収集を行い、算定可能なリスクと機会の簡易算定まで行いました。次年度以降も、今般対象とした部門以外のシナリオ分析を進め、当社グループに影響があると考えられるリスクと機会の財務影響を算定し、事業戦略に活用していきます。

リスク管理

気候変動に伴うリスクの評価、対応策の検討等は、全社的リスクマネジメントに関する重要事項を総合審議するリスクマネジメント委員会が実施しています。同委員会は、当社のサステナビリティ担当取締役を議長とし、サステナビリティ推進部が事務局となり、原則年2回開催されます。当社各部署および中核事業会社から選出された委員と事務局が、当社グループの気候変動に伴うリスクの評価および対応策の検討・策定を行い、その結果を取締役会に答申することで、取締役会の監督が図られています。

指標と目標

気候変動に伴う物理的リスクの増大が予想される一方で、政府の目標である「2030年度までに温室効果ガス排出量2013年度比46%削減」、「2050年までにカーボンニュートラルの達成」を受けて、今後、低炭素経済への移行に係るリスクと機会の更なる拡大が想定されます。このような変化の中において当社グループが持続的な成長を果たすためには、リスクと機会の継続的把握と気候変動への取り組み強化が肝要となるため、2025年度までに当社グループのカーボンニュートラルに向けた対応ロードマップを策定する予定です。脱炭素社会の実現に向けて、温室効果ガスの排出削減効果の高い製品・技術・サービスの提供と事業活動に伴う温室効果ガスの排出削減に努めていきます。

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