社長メッセージ
資本コストや株価を意識した経営を推進し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上の実現を目指します。

中戸川 稔
当社グループは、本年創業150周年を迎えます。この記念すべき年に向けた長期ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」実現の総仕上げとして、2023年度から「中期経営計画2025」をスタートして2年を終えました。
2024年度は、不安定な国際情勢が続く中、国内経済は、雇用・所得環境の改善により、内需主導で緩やかな回復をみせた一方で、堅調に推移してきた米国経済が、通商政策の影響により景気の下振れリスクの高まりをみせ、中国経済の停滞も長期化するなど、先行き不透明な状況が続きました。
このような環境下で、会社業績につきましては、部門別にばらつきがあるものの、コア事業と位置づける機械事業を中心に一層成長戦略を推し進めるとともに、事業ポートフォリオの見直しを強化することで、全体として、増収増益を達成し、2025年3月期は、売上高2,012億円、営業利益97億円、親会社株主に帰属する当期純利益186億円となりました。2025年3月期の期末配当金につきましては、配当方針および最近の業績動向等を総合的に勘案のうえ、創業150周年を迎えるに当たっての記念配当を加え、1株当たり40円とさせていただく予定としております。2024年12月に実施いたしました1株当たり30円の中間配当と合わせ、年間配当金は、1株当たり70円となり、2024年3月期から15円の増配となります。
資本コストや株価を意識した経営の推進につきましては、2024年3月期から2026年3月期までの3年間における自己株式の取得目安を大幅に増額し、取得上限額を100億円とする自己株式の取得を開始いたしました。
また、政策保有株式の縮減目標を1年前倒しで達成いたしました。政策保有株式の売却によって生じた資金は、成長投資としてアライアンスやM&Aの取り組みにも活用することとしており、その一環として、株式会社三井三池製作所との更なる連携強化を目的として同社の株式を取得し、持分法適用関連会社といたしました。加えて、川崎重工業株式会社の子会社である株式会社アーステクニカの株式を川崎重工業株式会社から取得することに向けて協議および交渉を実施することに関する基本合意書を締結いたしました。 サステナビリティへの取り組みを経営の最重要課題の一つと位置づけており、2024年7月にはCO2排出量削減目標および取り組みのロードマップを策定し、公表いたしました。今後も事業を通じた「社会課題」の解決に取り組んでまいります。
すべてのステークホルダーの皆さまのご意見やご指摘に真摯に耳を傾けながら、役職員一人ひとりが創業以来の情熱とチャレンジ精神を発揮し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、一丸となって取り組んでまいりますので、これからの古河機械金属にどうぞご期待ください。
2025年6月