社長メッセージ
「150年の歴史の重みを胸に、未来への挑戦を続けます」

中戸川 稔
当社は、今年8月に創業150年という大きな節目を迎えました。150年にわたり、幾多の困難を乗り越えながら事業を継続してこられたのは、古河市兵衛の創業の精神を受け継ぎ、多くの先輩方が新しいことへ挑戦を続けてきた証であり、大きな誇りを感じます。そして今、次の100年、150年に向けて歩みを続けることを考えると身が引き締まる思いを抱いています。
当社は、1875(明治8)年に創業以来、明治以降の激動する政治・社会・経済の中を力強く生き抜いてきました。鉱山・銅製錬に始まり、石炭、機械、化学、電子分野へと事業領域を広げ、時代の要請に応じた事業ポートフォリオの見直しと再構築を重ねてきました。時には痛みを伴う撤退も経験しましたが、変化を恐れず常に挑戦を続けることで、企業グループとしての姿を進化させてきました。
2015年、創業140周年を機に制定した当社の経営理念は、「鉱山開発に始まり、社会基盤を支えてきた技術を進化させ、社会に必要とされる企業であり続ける」という決意を明文化したものです。翌年には創業150周年に向けた長期構想として「2025年ビジョン」を掲げ、企業としてのありたい姿に向けて着実に歩みを進めてきました。 近年、国内外の政治経済は大きく変動しておりますが、私たちはこのビジョンのもと、役職員一人ひとりが目指すべき方向に真摯に取り組んできました。その結果、現在の安定した収益基盤の確立につながったと確信しています。特に、2025年ビジョンで掲げた「マーケティング経営」という考え方が社内に浸透し、お客様の課題を共に解決し、より良い価値を創造する姿勢が、各部門の成果へと結びついています。
今、私たちはかつてないほどに予測困難な時代に直面しています。気候変動による自然災害の増加、AIをはじめとした技術革新の急速な進展など、世界は不確実性に満ちています。SDGsへの対応はもちろん、DEI(多様性・公平性・包摂性)への取り組みも、企業としての責任であると同時に、持続的な成長のために不可欠な要素です。また、株式市場からは、企業価値の継続的な向上に対する期待がかつてないほど高まっています。
こうした環境の中で、当社はこれから次の時代へ向けて力強く新たな一歩を踏み出します。企業に求められる責任はこれまで以上に重くなっていますが、どのような環境下にあっても、私たちは高い理想を掲げ、誠実に、情熱をもって前進していきます。
未来に向けて、すべてのステークホルダーの皆さまのご意見やご指摘に真摯に耳を傾けながら、役職員一人ひとりが創業以来の情熱とチャレンジ精神を発揮し、持続的な成長と企業価値の向上に、一丸となって取り組んでまいります。古河機械金属のこれからの挑戦にぜひご期待ください。
2025年9月