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ロックドリル部門:油圧クローラドリルの共通プラットフォーム化モデルを販売開始 ~機体性能の最適化と生産性向上を実現~

2025年09月19日

当社(本社:東京都千代田区、社長:中戸川 稔)グループの中核事業会社で、ロックドリル部門を担う古河ロックドリル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山口 正己)は、機体性能の最適化と排ガス規制が異なる多様な機種の生産性向上を目的として、共通プラットフォーム化を推進してきました。このたび、その取り組みの一環として、日本国内の砕石場・鉱山向けに、共通プラットフォーム化エントリーモデルとなる油圧クローラドリル『HCR A70』を開発し、販売を開始しました。国内市場のシンプルモデル後継機種として、作業性能、メンテナンス性、環境性能の更なる向上を実現しています。
古河ロックドリル株式会社は、国産第一号さく岩機である足尾式さく岩機”A・S・D”(Ashio-Shiki-Drill)型から培われた伝統と信頼に加え、最新の ICT 技術により磨きを掛けた、新たな油圧クローラドリル“A”シリーズにより、資材価格の高騰、人材の不足と高齢化、地球温暖化への対応など、国内の砕石・鉱山の諸問題への対応に貢献していきます。

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図1 油圧クローラドリル『HCR A70

油圧クローラドリル『HCR A70』

タフで、扱いやすく、コストパフォーマンスの高さに定評のある古河ロックドリルのシンプルモデルがフルモデルチェンジしました。新たにラインナップされた、“始まり”を意味する“A”シリーズのエントリーモデルとなる油圧クローラドリル『HCR A70』は、従来のシンプルモデル『HCR900-DSV』の後継機種となります。
『HCR A70』は、シンプルで扱いやすい直動式油圧制御システムと、せん孔性能と扱いやすさに優れたデュアルダンパ付油圧ドリフタを継承しながら、環境対応と燃費に優れたディーゼルエンジンと、安全性に優れたROPS/FOPS キャビンを標準搭載しています。また、吐出式クーリングシステムにより、エンジンルーム内の温度を低減し、熱による部品の劣化を抑制しました。

油圧クローラドリル『HCR A70』の特長

(1) 吐出式クーリングシステム
吐出式クーリングシステムの採用により、エンジンルーム内の温度上昇を抑制して、オイルホースや電気ワイヤの被覆など非金属部品の劣化を抑制します。

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図2 吐出式クーリングシステム

(2)油圧ドリフタ HD709
油圧ドリフタ『HD709』は、デュアルダンパを装備しており、打撃時の衝撃エネルギーを緩和し推力を最適化することにより空打ち※1 ・ロッドなどの消耗を抑制することができます。また、回転圧異常、ビット目詰まりを検知して自動的にドリフタを後退させるアンチジャミング機能により、ジャミング※2を回避しながらせん孔することができます。

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3 油圧ドリフタ HD709

※1 ビットが岩盤に押付けられていない状態での打撃。ロッドをつなぐネジ部が摩擦により発熱し、破損に至る
※2 岩石が安定しない破砕帯等により、せん孔中にビット(ドリル先端部)が地中でとられ、せん孔が進まなくなる現象

(3) 環境対応と低燃費なディーゼルエンジン
窒素酸化物(NOx)を低減する尿素 SCR システムと、一酸化炭素、炭化水素、粒子状物質(PM)を低減・除去するディーゼル酸化触媒(DOC)およびディーゼル・パーティキュレート・フィルタ(DPF)を装備して、国内の特定特殊自動車 排出ガス規制(オフロード法 2014 年基準)とともに米国 EPA Tier 4 Final、および EU Stage Ⅴをクリアした、ターボチャージャ/アフタークーラ付きのパワフルなディーゼルエンジンを搭載します。コンパクトな 4 気筒エンジンの採用により、クリーンかつ従来モデルよりも低燃費を実現しました。

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図 4 ディーゼルエンジン

(4) コンパクトで取り回しの良いボディ
コンパクトなエンジンと共に、機体後側のオーバーハング量を 100mm 短縮しました。狭い切羽や路盤の凹凸の激しい作業現場でも、周囲との干渉を気にせず作業することができます。

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図5 機体後側オーバーハング量 ※( )内は従来モデル

(5)前面デフロスター付 ROPS/FOPS キャビン
機体転倒時に運転員を保護する構造“ROPS(Roll-over protection structure)”及び 落下物から保護する構造“FOPS(Falling object protective structures)”に対応したキャビンを標準搭載しました。また、前面ガラス用にデフロスターを装備しました。結露にわずらわされずに、せん孔口を視認することができます。

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6 前面ガラス用デフロスター

(6) 稼働サポートシステム F-MICAS に対応
ICT 技術により、稼働状況をリアルタイムに、オフィス等遠隔で確認できる稼働サポートシステム「F-MICAS」※3に対応しています。作業や機体の管理を効率化し、稼働の安定化と効率化に貢献します。

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図 7 稼働サポートシステム F-MICAS

※3 新技術情報提供システム「NETIS」登録№KT-250004-Aに登録されました

主要諸元

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【補足資料】
■参考情報
ロックドリル部門:稼働サポートシステムが国交省のNETISに登録 ~土木施工現場の施工性と経済性を向上~
https://www.furukawakk.co.jp/info/2025/20250613_netis_1.html

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