財務担当取締役メッセージ
財務基盤の強化を実現し、次なる成長に向けた投資ステージへ

𫝆野 光一郎
当社はこれまで、財務健全性の向上と資本効率の改善を最重要課題として位置づけ、長期にわたり財務体質の強化に取り組んできました。その結果、有利子負債の削減や自己資本の充実が進み、現在では健全かつ柔軟性の高い財務基盤を確立しています。一方で、中期経営計画で掲げた営業利益目標との乖離や、本業における収益力・効率性の課題など、克服すべき点が依然として残っていることも事実です。こうした成果と課題の双方を正しく認識することが、今後の企業価値向上に不可欠であると考えています。
直近の財務戦略においては、これまで築いてきた財務基盤を土台に、成長投資を本格化させるフェーズへと舵を切っています。過度に保守的な財務運営から一歩進み、適切なレバレッジを活用しながら、M&Aを含む成長戦略を推進することで、収益力の底上げと持続的成長の実現を目指します。同時に、資本コストを強く意識した経営を徹底し、ROEやPBRの改善を通じて、市場からの評価向上に取り組んでいきます。
資本政策については、財務健全性の確保を前提としながら、株主還元の充実を重視しています。増配や自己株式取得を通じて、株主の皆さまへの還元姿勢を明確にするとともに、資本構成の最適化を図ってきました。今後も安定的かつ継続的な還元を基本としつつ、将来の成長に資する投資とのバランスを取りながら、企業価値の最大化を追求します。
キャッシュアロケーションにおいては、限りあるキャッシュを成長投資、設備投資、株主還元、有利子負債管理へと戦略的に配分する考え方を明確にしています。構造的な収益力の改善を進めることで、中長期的には安定したキャッシュ創出力を回復・強化していく方針です。成長と還元を両立させる資金配分を徹底することで、持続的な価値創造につなげていきます。
政策保有株式については、コーポレートガバナンスの観点から、その意義を厳格に検証し、計画的な縮減を進めてきました。古河グループ各社との対話を重ねながら相互保有関係の見直しを行い、資本効率の向上と財務の透明性を高めています。今後も資産効率改善の観点を重視し、保有の妥当性を継続的に検証していく考えです。
当社は創業150年という歴史の節目を迎え、次の成長ステージに向けた重要な局面に立っています。これまで積み上げてきた財務基盤を活かし、課題から目を背けることなく、収益力の強化と資本効率向上に正面から取り組むことで、国内外の投資家の皆さまから中長期にわたり信頼され、期待していただける企業価値の創出を目指してまいります。
2025年9月