生物多様性の保全

古河機械金属グループは、継続的な緑化活動、山林の健全な育成など、生物多様性の保全・再生活動を推進しています。

生物多様性に対する考え方

「足尾さくら植樹会」第9回(2018年3月)に植えた桜

当社グループは、2012年に策定した「生物多様性行動指針」に基づき、継続的な緑化活動、山林の健全な育成など、生物多様性の保全・再生活動を推進しています。
当社の緑化活動では、外来種を使用せず、その地域古来の種子を選定し、行っています。
かつての豊かな自然が戻りつつある松木渓谷(栃木県日光市足尾町)には、猛禽類を頂点とする生態系ピラミッドが再形成されています。松木渓谷を含む足尾地区にはツキノワグマのような大型の野生動物や特別天然記念物のカモシカ、ニホンジカ、ニホンザル、キツネなどが生息しています。
今後も足尾地区のほか、全国にある社有地の緑化に努め、豊かな生態系の再生・回復活動を進めていきます。

生物多様性保全活動の推進

「ビオトープ周辺を舞うホタルの光跡(日光市足尾町社有地内)」

旧久根鉱山跡地および足尾銅山跡地におけるホタル再生活動

ホタルは、環境の状況を反映する生物であり、良好な水環境の象徴といえます。そのようなホタルが持続的に生息できる環境を再生して次世代に残したいとの思いから、当社環境安全統括部では、ゲンジボタルが乱舞したと言われている旧久根鉱山跡地(静岡県浜松市天竜区)において、再生活動を続けてきました。その結果、毎年6月下旬から7月初旬にかけて飛翔する姿を見ることができるまでになりました。
2021年度から始まった足尾銅山跡地(栃木県日光市足尾町)の社有地におけるホタルの再生活動では、ビオトープ(生物生息空間)の考え方を取り入れ、水路には蛇かごによる護岸を行い、ハンノキやヤナギといった水辺に生育する樹木を配してホタルの好む水辺の環境を再現しました。
2022年度は、新たに造成したホタル池に餌となるカワニナを放し、カワニナが定着したことを確認したうえでゲンジボタルとヘイケボタルの幼虫約400匹を放流したところ、6月下旬にホタルの飛翔を確認しました。訪れた人達は飛翔するホタルの姿を楽しんでいました。
今後も、生物多様性に配慮した生物、植物の再生活動を継続して行っていきます。

「大沼山林内の大トチノキ」

大沼山林内の大トチノキ

愛知県北設楽郡豊根村の大沼山林(当社社有地内)には、当社が永年大切に保護してきた大トチノキ(根回り:15.3m、胸高直径:7.48m、目通り:7.45m、樹高:32.5m、枝幅:46m、推定樹齢:数百年)があります。この木は山の守り神が宿る神聖な木として地元で崇拝され、国内有数の巨木として、周囲の杉の木を圧倒する迫力で存在感を示しています。
毎年5月から6月に花を咲かせ、栃の実は地域住民の人々の力を借りて栃餅などのお菓子に姿を変えています。
2008年4月に愛知県豊根村の天然記念物に指定された後、2022年7月には愛知県の指定文化財(天然記念物)として新たに選定されました。
当社としては、これからも保護活動を行い、大切に守っていきます。