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産業機械部門:ダム建設工事で骨材搬送用ベルトコンベヤを受注 ~密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」で課題解決~

2024年09月13日

 当社(本社:東京都千代⽥区、社⻑:中⼾川 稔)グループの中核事業会社で、産業機械部⾨を担う古河産機システムズ株式会社(本社:東京都千代⽥区、社⻑:岩間 和義)は、このほど、⼤林・⼤本・市川特定建設⼯事共同企業体より、新丸⼭ダム建設⼯事(岐⾩県加茂郡⼋百津町)において⾻材搬送⽤ベルトコンベヤとして、密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®(ジーコン)」を受注しました

ベルトコンベヤ架設位置図.png

ベルトコンベヤ架設位置図(国土地理院撮影の空中写真を加工して作成)

密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」採用の経緯

 新丸⼭ダムの建設⼯事で必要な⾻材は、⾻材製造設備にて破砕および貯蔵した後、⾻材搬送⽤ベルトコンベヤの入口(平ベルトコンベヤ)まで運ばれ、⾻材調整ビン※1を経由して、新丸⼭ダム付近にあるバッチャープラント※2に運搬する計画です。本⼯事の⾻材搬送ルートは、近隣に住宅があり、⼀般的な平ベルトコンベヤでは乗り継ぎ部により発⽣する騒⾳や振動が課題でした。
 これらの課題を解決するのが古河産機システムズの密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」です。吊り下げ機構によって、コンベヤ一本で自由自在に角度変更が可能で、乗り継ぎがなく現場の状況に合わせた搬送ラインを実現できることから、住宅街付近の骨材搬送に採用されました。骨材搬送用ベルトコンベヤは、平ベルトコンベヤと密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」で構成され、このうち古河産機システムズは、「SICON®」2ライン(合計全長約768m)を受注しており、2025年1月末工事完了を予定しています。
 なお、骨材の破砕製造設備では、二次破砕機・三次破砕機として古河産機システムズのコーンクラッシャ「GEOPUS C3」を計4台のほか、「振動スクリーン」を計3台納入しており、同社のコントラクタ本部(ベルトコンベヤ等)とマテリアル機械本部(破砕機等)において、かねてより進めていた部門横断的取り組みを実践しています。

 ※1 骨材調整ビン:骨材を貯蔵する円筒形の容器のこと。
 ※2 バッチャープラント:コンクリートを製造する大型施設のこと。

工事概要

事業主 中部地方整備局 新丸山ダム工事事務所
発注者 大林・大本・市川特定建設工事共同企業体
施工場所 岐阜県加茂郡八百津町地先~岐阜県可児郡御嵩町小和沢地先
工期 2025年3月31日まで
密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」の機器仕様

BBC-10(前設備受け渡し~調整ビン)約389m
・搬送量:750t/h
・速度:230m/min
・揚程:16.6m

BBC-13(調整ビン~バッチャープラント)約379m
・搬送量:750t/h
・速度:230m/min
・揚程:28.3m

密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」とは

 密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」は、通常の平ベルトコンベヤと異なり、土砂などの搬送物をコンベヤベルトで袋状に包み込み、モノレールのように吊り下げて搬送するため、荷こぼれや粉じん、騒音などを抑制し、搬送物を落とさず静かに運ぶことができます。また、従来の平ベルトコンベヤは方向や、搬送角度を変える際に乗り継ぎ部が必要でしたが、「SICON®」は乗り継ぎ部を設置することなく搬送ラインの方向を自由に変えることができるので、現場環境に合わせた最適な搬送ラインを省スペースで設置することが可能です。近年、ダンプトラックに代わる新たな土砂搬送方法として注目を集めています。

■参考動画

・【社会課題を解決】ベルトコンベヤによる土砂搬送編|古河機械金属PV
https://youtu.be/3zQSXwDh04A?si=kGlM0DBrh2w-H0hZ

―これまでの土砂搬送の課題を密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」で解決―

【課題解決①】消費電力を抑えた環境に優しい運搬が可能
「SICON®」は平ベルトコンベヤと比較して、動力を分散して配置することができるため、ベルト強度に依存することなく小さい動力で搬送が可能です。そのため消費電力を抑えることができ、CO2 をほぼ排出せず、地球環境に優しく安全な土砂搬送を実現します。また、土砂を袋状に包み込むため、荷こぼれや粉じんも抑制することが可能です。

密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」図1.jpg

【課題解決②】騒音や振動を抑制
「SICON®」は、通常のベルトコンベヤとは異なり、乗り継ぎのない搬送ラインを実現するため、乗り継ぎ部により発生していた騒音や振動を抑えることができます。

密閉式吊下げ型コンベヤ「SICON®」図2.png

【課題解決③】交通渋滞や交通事故を回避
ベルトコンベヤは、周辺道路を使わずに搬送ができるため、交通渋滞や交通事故を回避できます。実例として、東京外かく環状道路でのトンネル工事から発生する土砂搬送では、車線規制なしの工事を可能にしたことにより、交通渋滞の発生を抑制しました。

【課題解決④】運転手不足を解消
ベルトコンベヤは、ダンプトラックに代わり効率的な土砂・資材搬送を可能にするため、必要なダンプトラックの台数を削減でき、生産年齢人口の減少による人手不足の解消に貢献しています。

(参考)新丸山ダムについて

 新丸山ダムは、既設丸⼭ダムを20.2m嵩上げして機能アップを図るもので2021年12月から本体⼯事に着手しています。下流47.5mの位置に、新丸山ダムが丸山ダムに一部重なる形で嵩上げを行います。
 丸山ダムの洪水調節機能の強化、既設の丸山発電所及び新丸⼭発電所における出力の増強、新たに下流の河川環境保全を図ることを目的としています。

参照:国土交通省 中部地方整備局 新丸山ダム工事事務所HP

 https://www.cbr.mlit.go.jp/shinmaru/index.html

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