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国内向けに油圧クローラドリル『HCR1000-DⅥ ADVANCE』を販売開始 ~せん孔作業をサポートするセミオート機能を新開発~ 

2023年12月19日

 当社(社長:中戸川 稔)グループの中核事業会社で、ロックドリル部門を担う古河ロックドリル株式会社(東京都千代田区、社長:山口 正己)は、このほど、国内向けに油圧クローラドリル『HCR1000-DⅥ(シックス) ADVANCE』の販売を本格的に開始しました。新たに開発したセミオート機能「ドリリング・オペレーションサポートシステム」を搭載し、せん孔作業の簡易化を実現しました。

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油圧クローラドリル『HCR1000-DⅥ ADVANCE』

油圧クローラドリル『HCR1000-DⅥ ADVANCE』

 近年、重機の国内市場では、オペレータ不足が問題となっています。特に油圧クローラドリルのレバー操作は他の重機と比べ専門的で、熟練オペレータの引退による更なる人材不足が懸念されています。そのため、市場からは誰でも簡単にせん孔できる機能が求められており、古河ロックドリルは国内シェア65%(当社調べ)を誇る油圧クローラドリルの自動化を目標に掲げ、開発に取り組んできました。

 このほど、自動化実現へのステップとして、経験の浅いオペレータのせん孔サポートや新人オペレータが基本的なせん孔作業を短期間で習得できることを目的とした『HCR1000-DⅥ ADVANCE』を開発し、販売を開始しました。本機は、新機能となる「ドリリング・オペレーションサポートシステム」[後述の特徴①と②を参照]を搭載しており、せん孔サポートとシンプルな操作が可能で、オペレータのレバー操作回数を約70%削減するほか、せん孔中のジャミング※1回避や孔曲がり抑制を自動で行います。

 今後、上位サイズ機種『HCR1200-DⅥ』、『HCR1200-EDⅥ』にもセミオート機能「ドリリング・オペレーションサポートシステム」を搭載したADVANCEシリーズをラインナップする予定です。

 古河ロックドリルは、今後もお客さまの要望に応えるべく、油圧クローラドリルの自動化に向け、更なる取り組みに努めてまいります。

 ※1 岩石が安定しない破砕帯等により、せん孔中にビット(ドリル先端部)が地中でとられ、せん孔が進まなくなる現象。

『HCR1000-DⅥ ADVANCE』の特徴

 本機に搭載のセミオート機能「ドリリング・オペレーションサポートシステム」は、①「ドリリングサポートシステム」と②「オペレーションサポートシステム」の2つのサポート機能を有しています。

 さらに、タッチパネル画面の表示により、スムーズなせん孔作業をサポートします。

①ドリリングサポートシステム

 ドリリングサポートシステムは、現行のアンチジャミング機能(フラッシング※2風量減少またはビット回転圧力上昇でフィード※3後進を行う機能)に下記の制御を追加し、熟練オペレータが手動で行っていたジャミング回避操作の自動化を実現しました。

  • フィード圧力制御
    ビットの回転圧力が高くなるとフィード停止または後進を行い、ジャミングを回避します。フィード圧力制御中は、打撃圧力を低減し、ツールへの負担を軽減します。
  • フィード速度制御
    ビットが硬岩から軟岩や空洞に突入した際、フィード速度を制御し、孔曲りを抑制します。フィード速度制御中は、打撃圧力を低減し、ツールへの負担を軽減します。
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 ※2 せん孔の基本的な役割のひとつで、繰り粉(せん孔によって破砕した岩の破片)が破砕面に残留しないように水や空気で排出します。

 ※3 ドリフタの前後進

②オペレーションサポートシステム

 通常のせん孔作業では、せん孔用、ロッドチェンジャ用、フラッシング用、セントラライザ※4用の4つのレバー(図1)を複合的に操作しますが、オペレーションサポートシステムでは、せん孔用レバーの前進と後進のみ(ワンレバーアクション)でせん孔が可能となり、通常のせん孔作業に比べ、オペレータのレバー操作回数を約70%削減します。
 また、目標のせん孔長をタッチパネルから入力することで、目標のせん孔長への到達後、自動でせん孔が停止し、ロッドの回収工程に移行します。

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図1 オペレータキャビン内

 ※4 せん孔中のロッドの揺れを防ぎ、ロッドチェンジャ使用時にはスリーブと先端ロッドを保持します。

  • タッチパネル画面
    タッチパネル画面では、マニュアル操作⇔オペレーションサポートシステムの切り替えが可能です。オペレーションサポート画面(図2)では、作動状態、目標せん孔長、実せん孔長、ロッド本数を表示します。また、せん孔用レバーの操作指示を矢印で表示し、オペレータのせん孔作業をサポートします。
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主要諸元・販売価格

■主要諸元

モデル名称 HCR1000-DⅥ ADVANCE
搭載ドリフタ HD818

エンジン

カミンズ
QSB6.7(オフロード法2014年基準 /
EPA Tier 4 Final / EU Stage IV)
168kW/2200min-1

コンプレッサ

北越工業
PDS265
6.1m3 1.03MPa

ロッドチェンジャ

GR801
5(本格納)+1(スタータロッド)

ロッドサイズ

32H, 38R, 45R, (38H)
3,050mm/3,660mm

せん孔径

Φ64~89mm

■販売価格

オープン価格

油圧クローラドリルとは

 発破用の火薬を装填するため下向きにせん孔する(岩盤に孔(あな)を開ける)自走式機械です。鉱山や砕石場等の露天掘り掘削現場では油圧クローラドリルでせん孔し、岩盤を発破することにより石を採取します。国内外の現場で活躍しており、インフラ開発を支える原材料となる砕石や石灰石、金・銀等の非鉄金属鉱山、鉄鉱石鉱山等の鉱石採掘に貢献しています。せん孔する孔の大きさにより火薬量が変わり、発破後の石の生産量が増減します。油圧クローラドリルは、せん孔する孔の大きさによりサイズが異なるため、現場の生産規模に合ったサイズ選定が必要です。

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