Information

国内向けに油圧クローラドリルの新シリーズ『HCR L90シリーズ』を販売開始 ~排出ガス5次規制に対応、2機種をラインナップ~ 

2023年06月27日

 当社(社長:中戸川 稔)グループの中核事業会社で、ロックドリル部門を担う古河ロックドリル株式会社(東京都千代田区、社長:荻野 正浩)は、国内向けに油圧クローラドリルの新シリーズ『HCR L90シリーズ』の販売を開始しました。排出ガス5次規制に適合したクリーンエンジンを採用し、『HCR L90-E5』と『HCR L90s-E5』の2機種をラインナップしています。

油圧クローラドリル『HCR L90-E5』
油圧クローラドリル『HCR L90-E5』
油圧クローラドリル『HCR L90s-E5』
油圧クローラドリル『HCR L90s-E5』

油圧クローラドリル『HCR L90-E5』・『HCR L90s-E5』

 
 古河ロックドリルは、油圧クローラドリルにおいて国内約65%のシェア※1を有しており、主力製品である『HCRシリーズ』は、更なる環境負荷低減のため、排出ガス5次規制(オフロード法2014年基準 / EPA Tier 4 Final / EU Stage Ⅴに対応[後述の特徴①参照])に適合したクリーンエンジンへの切り替えを順次進めています。国内向けに、2023年4月から大型油圧クローラドリル『HCR L110-E5』(せん孔径5.5インチクラス)の販売を開始しており、このほど、『HCR L90シリーズ』(せん孔径4.5インチクラス)の販売を開始しました。これにより、石灰石鉱山および砕石場向けの油圧クローラドリル(せん孔径4.5インチ~5.5インチクラス)のラインナップは出揃いました。
 『HCR L90シリーズ』は、搭載するロッドサイズから、『HCR L90-E5』と『HCR L90s-E5』の2機種を選択できるようにしました。『HCR L90-E5』は、新開発のT60※2大径ロッドを搭載可能にしたガイドシェルおよびロッドチェンジャ装置[後述の特徴⑥参照]により、Φ127mmまでのせん孔が可能です。T60大径ロッドを搭載した場合、従来のT45、T51ロッドと比べ、孔曲がりを抑制するほか、繰り粉※3の排出が容易になり、せん孔速度の向上が期待できます。『HCR L90s-E5』は、従来機同様のロッドサイズでΦ115mmまでのせん孔が可能です。
 『HCR L90シリーズ』は、2021年度下期から欧米地域に先行販売し、性能面において高い評価を得ており、他地域へも順次販売を開始しています。古河ロックドリルは、今後、海外だけでなく国内においても『HCR L90シリーズ』の拡販に努めてまいります。

 ※1 シェアは当社調べ
 ※2 T51ロッドでは直径51mm。T60ロッドでは直径60mm。
 ※3 せん孔によって破砕した岩の破片

『HCR L90シリーズ』の特徴

①排出ガス5次規制適合クリーンエンジン搭載

環境に配慮し、排出ガス5次規制(オフロード法2014年基準 / EPA Tier 4 Final / EU Stage Ⅴに対応)に適合したクリーンエンジンを搭載しています。PM(粒子化合物).NOx(窒素酸化物)の排出量を大幅に低減した最高レベルの低排出ガス成分を実現したエンジンです。

②高出力型油圧ドリフタを搭載

高出力油圧ドリフタを採用し、デュアルダンパ機構※4とエネルギー伝達効率を極めたくさび型ピストン形状および新ピストン作動機構により、異なる岩質に幅広く、すばやく対応します。負荷に応じた最適な制御をすることで、高い破砕効率を実現しました。複雑な操作もなく、ムダのないパワーで安定した快適なせん孔ができます。

※4 デュアルダンパ(特殊構造の衝撃緩衝装置)により、ビットの刃先を岩盤に押し付け、打撃ピストンの打撃波のエネルギーを確実にビットの刃先に伝達して岩盤を破砕することができ、適正な推力でのせん孔を可能とします。

③最先端の低燃費化技術「スーパーエコノミーモードPLUS」

iMS[後述の特徴⑤]モニタ画面で、せん孔作業(打撃&ブロー操作)時のエンジン回転速度を1800・2000・2200・2500min-1の4段階より選択できます。岩質に応じて適正なエンジン回転速度を選択することで、打撃性能を維持しながら燃費改善に貢献する最先端の低燃費化技術です。(特許取得済)
スーパーエコノミーモードに「コンプレッサ・新アンロード制御」、「新オートスロットル制御」を加えた新システムにより、いっそうの燃費低減を図りました。

  • コンプレッサ・新アンロード制御
    コンプレッサ待機動力を最小限に抑えるフラッシング連動式アンロード制御を追加しました。
    エンジンの負荷軽減に連動し低燃費化を実現しています。(特許取得済)
  • 新オートスロットル制御
    作業に合わせてエンジン回転速度を自動制御する機能を追加しました。
    未作業時には自動的にアイドリングにすることで燃費低減を図ったシステムです。(特許取得済)

④革新の「セミオートドリリング制御 iDS(Intelligent Drilling System)」

岩質の変化に応じた最適なせん孔状態に自動制御するiDSを標準装備。回転圧異常、ビット目詰まりを検知して、自動的にドリフタを後退させる従来のアンチジャミングに加え、フィード・回転・打撃の3要素をバランスさせたスムーズなせん孔が可能です。

⑤機体のコンディションが一目でわかる iMS(Intelligent Monitoring System)

7インチカラー液晶パネルに機体の稼働情報やメンテナンス情報を集中表示。各種設定や作動中に生じたエラー履歴やメンテナンスが必要な個所についての情報を、インフォメーションディスプレイ上に表示します。

⑥操作が簡単で確実なロッドチェンジャ装置

1本のロッドチェンジャ操作レバーを一方向に倒すだけで、ロッドの「継足」から「回収」まで、一連の複合動作を連続して行うセミオートタイプのロッドチェンジャを装備。スピーディな動きでサイクルタイムを短縮します。

主要諸元・販売価格・販売目標

【主要諸元】
モデル名称 HCR L90-E5 HCR L90s-E5
質量 16,810kg 16,160 kg
搭載ドリフタ HD828S HD826
エンジン カミンズ
B6.7 (オフロード法2014年基準 /
EPA Tier 4 Final / EU Stage Ⅴ)
194kW/2500min-1
コンプレッサ 北越工業
PDS265
10.0m3 1.03MPa
ロッドチェンジャ GR803
12ft
7(本格納)+1(スタータロッド)
14ft 
6(本格納)+1(スタータロッド)

GR802
12ft
6(本格納)+1(スタータロッド)

せん孔径(ロッドサイズ)

Φ76~115mm(T45/T51)
Φ102~127mm(ST58、GT60)

Φ76~115mm(T45/T51)

【販売価格】

オープン価格

【販売目標】

台数:2023年度50台(海外含む)


油圧クローラドリルとは

 発破用の火薬を装填するため下向きにせん孔する(岩盤に孔(あな)を開ける)自走式機械です。鉱山や砕石場等の露天掘り掘削現場では油圧クローラドリルでせん孔し、岩盤を発破することにより石を採取します。国内外の現場で活躍しており、インフラ開発を支える原材料となる砕石や石灰石、金・銀等の非鉄金属鉱山、鉄鉱石鉱山等の鉱石採掘に貢献しています。せん孔する孔の大きさにより火薬量が変わり、発破後の石の生産量が増減します。油圧クローラドリルは、せん孔する孔の大きさによりサイズが異なるため、現場の生産規模に合ったサイズ選定が必要です。

当ニュースリリースPDF版はこちら

お問い合わせ先:ニュースリリースに関して

古河機械金属株式会社 経営企画部広報・IR課

03-6636-9501

お問い合わせ先:製品に関して