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欧米向けにダウンザホールドリルの新シリーズを販売開始 ~燃費低減と高いせん孔性能を実現~

2023年02月28日

当社(社長:中戸川 稔)グループの中核事業会社で、ロックドリル部門を担う古河ロックドリル株式会社(東京都千代田区、社長:荻野 正浩)は、欧米向けにダウンザホールドリルの新シリーズとなる『DCR L130-F5』を開発し、2023年1月より販売を開始しました。排出ガス5次規制に適合したクリーンエンジンを採用し、最先端の低燃費化技術「スーパーエコノミーモードPLUS」を搭載する『DCR L130-F5』は、岩質に応じて適正なエンジン回転速度を選択することが可能で、燃料消費量を低減させたほか、強力なフラッシング能力で高いせん孔能力を実現しました。

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ダウンザホールドリル『DCR L130-F5』

ダウンザホールドリル『DCR L130-F5』

 古河ロックドリルは、大孔径のせん孔に適したダウンザホールドリル『DCRシリーズ』をラインナップしています。欧米では鉱山をはじめ砕石場や土木現場等で使用されています。

この度開発した『DCR L130-F5』(せん孔径最大Φ165mm)は、排出ガス5次規制(EPA Tier 4 Final / EU Stage Ⅴに対応[後述の特徴①])に適合したクリーンエンジンを採用しており、最先端の低燃費化技術「スーパーエコノミーモードPLUS[後述の特徴②]」により、せん孔作業時のエンジン回転速度を岩質に応じて選択することが可能で、せん孔性能を維持しながら燃料消費量を低減しました。

また、強力なフラッシング※1能力を持つコンプレッサと高性能ダストコレクタを搭載[後述の特徴③]したことで、高いせん孔能力を発揮し、サイクルタイムの短縮が期待できます。更に、従来のフレームおよびブーム形状を見直したことにより、輸送作業およびメンテナンス作業の簡易化を図っています。

古河ロックドリルは、今後、同製品を環境に配慮した戦略機として欧米に向けて展開していきます。

 ※1 フラッシング:せん孔の基本的な役割のひとつで、繰り粉(せん孔によって破砕した岩の破片)が破砕面に残留しないように水や空気で排出します。 

『DCR L130-F5』の特徴

①排出ガス5次規制適合クリーンエンジン搭載

環境に配慮し、排出ガス5次規制(EPA Tier 4 Final / EU Stage Ⅴに対応)に適合したクリーンエンジンを搭載しています。PM(粒子化合物).NOx(窒素酸化物)の排出量を大幅に低減した最高レベルの低排出ガス成分を実現したエンジンです。

②最先端の低燃費化技術「スーパーエコノミーモードPLUS」

iMS[後述の特徴④]モニタ画面で、せん孔作業時のエンジン回転速度を1600・1800・2000min-1の3段階より選択できます。岩質に応じて適正なエンジン回転速度を選択することで、せん孔性能を維持しながら燃費改善に貢献する最先端の低燃費化技術です。(特許取得済)
スーパーエコノミーモードに「新オートスロットル制御」を加えた新システムにより、いっそうの燃費低減を図りました。

・コンプレッサ・新アンロード制御
 コンプレッサ待機動力を最小限に抑えるフラッシング連動式アンロード制御を追加しました。
 エンジンの負荷軽減に連動し低燃費化を実現しています。(特許取得済)

・新オートスロットル制御
 作業に合わせてエンジン回転速度を自動制御する機能を追加しました。
 未作業時には自動的にアイドリングにすることで燃費低減を図ったシステムです。(特許取得済)

③強力なフラッシング能力&高性能ダストコレクタ搭載

標準吐出圧2.5MPa、標準吐出量24.3m3/min(エンジン回転数1,800min-1時)、最大吐出圧2.3MPa、最大吐出量27.0m3/min(エンジン回転数2,000min-1時)の高圧・大容量エアコンプレッサを搭載。大風量(75m3/min)の高性能ダストコレクタと標準装備のプレクリーナの併用により、優れたせん孔能力を発揮します。強力なフラッシングと高性能ダストコレクタにより残留繰り粉を大幅に減らし、サイクルタイムの短縮に確実に応えます。また、サクションフードが上下にスライド。座ぐり※2状況が確認でき、せん孔の口元処理作業も容易に行えます。

 ※2 座ぐり:せん孔開始から1~2m間の丁寧なせん孔作業。

④機体のコンディションが一目でわかる iMS(Intelligent Monitoring System)

7インチカラー液晶パネルに機体の稼働情報やメンテナンス情報を集中表示。異常を検出した場合、ディスプレイに表示し、トラブルシューティングタイムを短縮します。

⑤快適なキャビン&ゆとりの運転環境

全方向に広々とした視界を確保したキャビンには、ROPS/FOPS仕様(転倒時保護構造/落下物保護構造)を採用しています。快適な室内環境を保つ外気導入型エアコンは標準装備。気密性が高く、多様な稼動条件のもとでも快適な作業ができます。ソフトな乗り心地のサスペンションシートは、豊富なアジャスト機能によりオペレータの体型にジャストフィットします。また、フィンガーコントロールスイッチタイプ走行レバーを採用し、自然な作業姿勢での走行操作が可能となり、作業での疲労を軽減します。

⑥セミオートタイプのロッドチェンジャ

1本のロッドチェンジャ操作レバーを一方向に倒すだけで、ロッドの「継足」から「回収」まで、一連の複合動作を連続して行うセミオートタイプのロッドチェンジャを装備。スピーディな動きでサイクルタイムを短縮します。また、ロッドの自由選択ができるロータリ式ラック方式の採用で、ロッド寿命の平準化が可能です。

⑦輸送作業・メンテナンス作業の簡易化

従来のフレーム及びブーム形状の見直しにより、ブーム部品の脱着作業無しに、道路交通法をクリアできる輸送姿勢高さ3,500㎜を実現しました。また、ガイドシェルのメンテナンス姿勢を水平にし、なおかつ地上高さを下げることにより、従来に比べガイドシェルのメンテナンスが容易に行うことができます。

主要諸元・販売価格・販売目標

■主要諸元

モデル名称 DCR L130-F5
質量 23,600 kg

ドリルモータ

DOWMAX / ME350
最大トルク:4.2 kN-m
最高回転数:120min-1

エンジン

キャタピラー
C13B (EPA Tier 4 Final / EU Stage Ⅴ)
340kW/2000min-1

コンプレッサ

北越工業 PDSK900
24.3m3/1800min-1, 2.5MPa
27.0m3/2000min-1, 2.3MPa

ロッドチェンジャ

GR803
ロッド長さ:5000mm/6000mm
ロッド径:76,89,102mm

収納本数
5000mm: 8(本格納)+1(スタータロッド)
6000mm: 4(本格納)+1(スタータロッド)

せん孔径

Φ89~165mm

■販売価格

オープン価格

■販売目標

台数:2023年度20台

ダウンザホールドリルとは

発破用の火薬を装填するため下向きにせん孔する(岩盤に孔(あな)を開ける)自走式機械で、空圧のダウンザホールハンマー※3でせん孔します。大孔径のせん孔に適しており、海外では鉱山をはじめ砕石場や土木現場等で、国内では石灰石鉱山等で使用されています。

 ※3 ダウンザホールハンマー:高圧エアーを駆動力としたハンマーで、シリンダー内のピストンを反復運動させることで打撃し、せん孔します。

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