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ロックボルト専用機が国土技術開発賞および日本建設機械施工大賞を受賞

2022年09月02日

 当社グループの中核事業会社である古河ロックドリル株式会社(社長:荻野 正浩)は、この度、山岳トンネル工事のロックボルト作業において安全性と生産性を大幅に向上したロックボルト専用機が評価され、「第24回 国土技術開発賞」入賞(一般財団法人国土技術研究センター主催)および「令和4年度 日本建設機械施工大賞」優秀賞(一般社団法人日本建設機械施工協会主催)をそれぞれ受賞しました。

 受賞したのは、山岳トンネル工事で使用する6m継ぎボルト打設装置を搭載したロックボルト専用機「BOLTINGER(ボルティンガー)」(大成建設株式会社と共同開発。20228月より販売開始。)です。ロックボルト打設の作業現場となる切羽(トンネル掘削の最先端箇所)において、重量物であるロックボルト(約20kg)を人力挿入する従来の過酷かつ危険な作業を完全機械化し、安全な作業環境を構築したことに加え、省人化と生産性向上を実現したことが高く評価されました。

 建設業では高齢化が進み、担い手不足が深刻化しています。また、山岳トンネル工事では事故や災害が後を絶たず、特に切羽で多く発生しています。古河ロックドリルでは、切羽で使用する機械のニーズを捉え、課題を解決する製品を提供することで、山岳トンネル工事の安全性と生産性向上に貢献していきます。

■ロックボルト打設とは

 山岳トンネル工事では、掘削後に地山の崩落や変形を防ぎ、安定した状態を保つため、ロックボルトを地山に打設します。切羽でのロックボルト打設は、ロックボルト用の孔のせん孔、モルタル注入、ロックボルト挿入を、危険かつ高所で行う過酷な作業です。受賞したロックボルト専用機「BOLTINGER」は、その一連の作業を完全機械化しロックボルト打設を1台で行う機械です。

■受賞理由

【安全性向上】

 切羽近くで行っていた人力によるモルタル注入とロックボルト挿入作業を完全機械化し、安全性を飛躍的に向上させたこと。

【生産性向上】

 機械化により作業員を5人から2人に省人化し、担い手不足を解消したことに加え、従来型のロックボルト機と比較して施工時間を約50%短縮したこと。

ロックボルト専用機トンネル内写真(小).jpg

6m継ぎボルト打設装置を搭載したロックボルト専用機「BOLTINGER

3mボルト2本を運転席からの遠隔操作で継ぐ機能を持たせたロックボルト専用機は、

安全性・生産性の向上だけでなく、6mのボルトを正確な位置と方向に打設できる機能も有しています。

【補足資料】

■賞の概要

【国土技術開発賞】 主催:一般財団法人国土技術研究センター

技術開発者に対する研究開発意欲の高揚並びに建設技術水準の向上を図ることを目的として、建設産業に係わる優れた新技術を表彰(国土交通大臣表彰)するものです。

【日本建設機械施工大賞】 主催:一般社団法人日本建設機械施工協会

建設機械及び建設施工に関する技術等に関して、調査・研究、技術開発、実用化等により、その向上・普及に顕著に寄与したと認められる業績を表彰するものです。

■ロックボルト専用機「BOLTINGER」の特徴

①3、46mの全てのロックボルト打設が可能


継ぎ仕様の打設装置を設けることで、短尺(3m、4m)から長尺(6m)までの一般的なすべてのロックボルト打設が可能になりました。

②役割を分けた3ブーム構成


せん孔専用ブーム×2式とモルタル充填・ロックボルト打設専用ブーム×1式の3ブーム機構で、せん孔とロックボルト打設を同時並行して進められる機構にしました。

③コンピューターによるせん孔位置ガイダンス機能を搭載


せん孔位置のガイダンスやせん孔実績を記録、表示することで、せん孔した孔に打設装置をスムーズに誘導し、正確かつスピーディーな施工を実現しました。

④モルタル供給装置を機体に搭載


機体後方にモルタル供給装置、モルタルポンプを搭載し、モルタル充填作業をキャビン内から可能にしました。

■使用した作業員の評価

【作業が非常に楽になった】 

 切羽近くで行っていた危険な人力作業が機械化され、重量物を直接扱う必要がなくなった。

【今後も使用したい】

 快適なキャビン内でロックボルト打設の操作が行えるため、作業環境が大幅に改善した。

ロックボルト専用機トンネル内写真.jpg

6m継ぎボルト打設装置を搭載したロックボルト専用機「BOLTINGER

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