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国内初、遠隔技術を活用したトンネルドリルジャンボが 日本建設機械施工大賞を受賞 ~せん孔作業時における切羽での無人化施工を実現~

2022年10月21日

 当社グループの中核事業会社で、ロックドリル部門を担う古河ロックドリル株式会社(社長:荻野 正浩)は、この度、トンネルドリルジャンボにおいて国内で初めて遠隔技術を活用し、山岳トンネル工事のせん孔作業時における切羽での無人化施工を実現したことが評価され、「令和4年度 日本建設機械施工大賞」優秀賞(一般社団法人日本建設機械施工協会主催)を受賞しました。

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遠隔技術を活用したICT施工を実現するトンネルドリルジャンボ

 受賞したのは、山岳トンネル工事で使用する国内初の遠隔技術を活用したトンネルドリルジャンボ(株式会社安藤・間、マック株式会社と共同開発)です。トンネルドリルジャンボに設置したカメラ映像やマシンガイダンス情報(せん孔位置やトンネル形状、複数の発破パターン情報など)をもとに、トンネル坑内の中央制御室から遠隔操作でせん孔作業を実施することで、切羽(トンネル掘削の最先端箇所)での無人化施工を実現しました。更に、岩盤性状、装薬孔のせん孔位置、地質情報等の施工データを中央制御室で集約・分析し、発破の改善サイクルを繰り返すことで発破作業を効率化しました。このような遠隔技術を活用したICT施工により、山岳トンネル工事の安全性と生産性の向上を実現したことが高く評価されました。
 トンネル坑内は高温多湿で、せん孔作業時は粉じんや騒音も発生するなど、作業員にとって過酷な環境であり、その改善が求められています。また、発破作業では熟練作業員への技能依存が高く、施工の合理化や省力化も課題です。古河ロックドリルでは、切羽で使用する機械のニーズを捉え、課題を解決する製品を提供することで、山岳トンネル工事の安全性と生産性向上に貢献していきます。

■受賞理由

【安全性向上】

 せん孔作業を中央制御室で遠隔操作することで、作業時の切羽への立ち入りを完全になくすことができ、作業員の安全性と労働環境を大幅に改善させたこと。

【生産性向上】

 マシンガイダンス機能1との連携により、経験の少ない作業員でも正確で効率的なせん孔作業が可能となり、余掘り量2、使用火薬量ともに従来の熟練作業員による施工方法に比べ、20%程度低減させたこと。

 ※1 マシンガイダンス機能:せん孔誘導システムによりせん孔位置・差角・深さをナビゲーションし、簡単かつ正確なせん孔作業を可能とする機能。

 ※2 余掘り:設計掘削断面よりも大きく掘削してしまうこと。余掘り量が多いと吹き付けるコンクリート量が増えコストアップとなる。

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※MGジャンボ:マシンガイダンス機能付きトンネルドリルジャンボ

遠隔技術を活用したトンネルドリルジャンボにより、作業員は切羽から離れた中央制御室で操作が可能となり、防じん仕様でエアコンの効いた快適な環境下での作業が可能となりました。

【補足資料】

■賞の概要

【日本建設機械施工大賞】 主催:一般社団法人日本建設機械施工協会

建設機械及び建設施工に関する技術等に関して、調査・研究、技術開発、実用化等により、その向上・普及に顕著に寄与したと認められる業績を表彰するものです。

■トンネルドリルジャンボとは

山岳トンネル工事の発破工法において使用され、切羽で爆薬を装填するための孔をあける機械です。当社のトンネルドリルジャンボは、国内の道路や鉄道の山岳トンネルのほとんどで使用された実績があり、現在もリニア中央新幹線や北海道整備新幹線等の長大トンネル工事で活躍しています。

■遠隔技術を活用したトンネルドリルジャンボの特徴

①トンネル坑内に中央制御室を設置


 トンネルドリルジャンボに設置したカメラ映像、マシンガイダンス情報、機器情報などをもとに、中央制御室から遠隔でせん孔作業を実施可能になりました。

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②発破作業の効率化


 岩盤性状、装薬孔のせん孔位置、地質情報などの施工データを中央制御室で集約・分析し、発破の改善サイクルを繰り返すことで効率化を実現しました。

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古河機械金属株式会社 経営企画部広報・IR課

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