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足尾銅山記念館の建設についてのお知らせ

2023年03月13日

古河三水会理事会社が共同で設立した一般社団法人古河市兵衛記念センター(2022年11月18日設立)が、1912年に竣工しその後移築・解体された当社旧足尾鉱業所を、往時の場所に「足尾銅山記念館」として復元する建設工事に着工することとなりましたので、当社からその建設概要を下記の通りお知らせします。

「足尾銅山記念館」建設概要

1. 建設予定地 栃木県日光市足尾町掛水地内(当社社有地)
2. 建築主 一般社団法人古河市兵衛記念センター
3. 工期予定 2023年3月~2025年3月
4. 施工 古河林業株式会社
5. 設計 古河林業株式会社・株式会社日本設計(展示設計協力:株式会社丹青社)
6. 仕様 木造・地上2階(延べ面積:約1,245㎡、建物高さ:約15.8m)
7. 開館予定 2025年5月
8. 完成イメージ

辰野葛西建築事務所(東京駅や日本銀行本店、奈良ホテルなどを設計した辰野金吾氏らが開設)が設計に携わった「足尾鉱業所」(1912年竣工)を復元。左側の赤レンガ造りの建物は、「足尾鉱業所」よりも古い建築の旧書庫(現存)で、国の登録有形文化財。

「足尾銅山記念館」完成イメージ.jpg

一般社団法人古河市兵衛記念センターによる「足尾銅山記念館」建設の背景と目的

 古河グループは、2025年に創業150 周年を迎えます。明治初期、小野組の解散処理に伴い無一文から再出発した古河市兵衛が、1875年、草倉銅山(新潟県)の経営に乗り出した時を発祥としています。その後、1877年に経営を始めた足尾銅山(栃木県)は、明治工業史に特筆される技術革新を行うことで、日本一の産銅量を誇るまでに発展し、我が国の産業発展に貢献する一方、古河グループ発展の原動力の役割を果たしました。

 創業者である市兵衛は、事業を営む上で欠かすことのできない、ステークホルダーに対する心構え「人を大事にする」「お客様や世の中を大事にする」を説く一方、「最新鋭の技術を取り入れる」という事業構造改革にも踏み込み、これを実践していきました。
 「鉱山は山深い場所にあり、もともと人が住んでいない場所に、多くの人々が働き生活することになる。そして、生産活動に伴う大量の物流や人々の生活を支える仕組みも必要になる。つまり、鉱業は、新しく町や村を建設することに等しいものである。」とする市兵衛の鉱業観は、人々の生活と社会活動の整備に資する事業に携わる事業家の矜持を示すものでもありました。

 社会インフラの整備は、祖業である銅を加工した電線を活用して電気を日本中に普及させることで国民生活の向上を図るという理念に醸成され、電気を核としたビックバンが事業創造の連鎖を生み出しました。こうして古河グループが誕生し、その後、多角的に、多様な事業を次々と立ち上げ、社会に貢献する企業集団として現在に至っています。

 足尾は、市兵衛の創業の精神を象徴する地であり、古河グループの礎を築いた地でもあります。古河グループ創業150 周年を迎えるに当たり、先達の産業興国の志に敬意を表すとともに、国民生活を支える社会インフラの整備に貢献してきた証として、市兵衛の鉱山事業に対する「進業専一」を象徴する、辰野葛西建築事務所(辰野金吾氏と葛西萬司氏の共同事務所)が設計に携わった「足尾鉱業所」(1912年竣工)を、往時の場所に「足尾銅山記念館」として、一般社団法人古河市兵衛記念センターにより復元建設されることとなりました。

 足尾銅山記念館では、足尾の光と陰、先達の築き上げてきた歴史の展示紹介に加え、様々な文化の発信、環境教育および古河グループのこれからの時代を支えていく人たちの研修の場などとしての活用が、一般社団法人古河市兵衛記念センターにより企図されています。現在、展示内容に関する検討が進められており、開館後に一般公開される予定となっています。
 また、広大な山林を有する足尾での植林活動等を通じて、温暖化ガスの吸収源であり、多様な動植物がすむ生命の宝庫である森林を守り育てることにより、古河グループにおけるSDGsへの取り組みを示す場の一つとしても検討されています。

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