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乗車型ミニ・クローラクレーンの機能を拡充 ~安全性・操作性の向上と分解仕様の改良~

2023年01月26日

当社グループの中核事業会社で、ユニック部門を担う古河ユニック株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山川 賢司)は、乗車型ミニ・クローラクレーン『URW370Cシリーズ』の機能を拡充し、安全性・操作性の向上と分解仕様の改良を行ったマイナーチェンジ機を、本日より販売開始します。

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乗車型ミニ・クローラクレーン『URW376C4RA2』

乗車型ミニ・クローラクレーン『URW370Cシリーズ』

 本製品は、不整地でも強力なつり上げパワーを発揮する2.93トン吊りの乗車型ミニ・クローラクレーンです。今回のマイナーチェンジでは、作業の安全性をより高めるため、現場でのクレーン操作において、衝突を未然に防止する高さ制限装置などの『作業範囲制限装置』を追加しました。また、作業終了時のブームの格納操作をスイッチ1つで行う『ブーム全自動格納機能』を追加し、撤収作業の効率化を図りました。更に、液晶ラジコン※1のディスプレイ表示を、『クレーンの状態表示』に加え『つり荷重の拡大表示』を選択可能にするなど、「安全性と操作性における標準装備」を充実しています。

そのほか、山岳地などの機材の搬入が難しい場所にクレーンを分解して運搬できる『分解仕様(オプション):ディーゼルエンジン仕様のみ』を改良しました。分解仕様により、ブームやアウトリガなど主要パーツが取り外せるため、積載量制限のあるヘリコプターやモノレール、索道でも運搬が可能です。今回の改良により、分解後の各部品の質量を1t未満に抑え、可搬性を向上したほか、従来要していた分解作業時間を約40%、組立作業時間を約30%削減するなど、お客さまの利便性を追求したクレーンとなっています。
古河ユニックは、安全性・操作性、作業効率改善など、お客さまのニーズに応えられるクレーンの開発に今後も注力していきます。
※1液晶ラジコン:選択スイッチ式(LS)とジョイスティック式(LJ)から選択でき、定格荷重や負荷率など、クレーンのあらゆる情報がすべて手元で確認できます。

主な特長

■安全性や操作性を向上させる機能<標準装備>

①『作業範囲制限装置』の追加

各制限範囲は任意に設定できるため、干渉の恐れがある、狭小な現場で威力を発揮、安全作業をサポートします。

<『作業範囲制限装置』に含まれる機能>
「ブーム高さ制限機能」「作業半径制限機能」「ブーム長さ制限機能」「ブーム角度制限機能」「旋回角度制限機能」

ブーム高さ制限機能.jpg
ブーム高さ制限機能
作業半径制限機能.jpg
作業半径制限機能
作業範囲制限装置の機能(一部)
旋回角度制限機能.jpg

旋回角度制限機能

②『ブーム全自動格納機能』の追加

作業終了時のブームの格納操作がスイッチ1つで可能です。

[1]フックの巻上後、[2]ブーム縮、[3]旋回(旋回方向自動判別)、
[4]ブーム伏、[5]フックの格納の順に連動します。
(従来機はフック格納(巻上)のみ)

ブーム全自動格納機能イメージ.pngのサムネイル画像
ブーム全自動格納機能イメージ
(画像は非乗車型ミニ・クローラクレーンです)
③液晶ラジコンのディスプレイ表示に、つり荷重の拡大表示を追加
従来のクレーンの状態表示に加え、「つり荷重の拡大表示」も切換・選択することができます。拡大表示画面では、“現在つり上げている荷重”と“つり上げ可能な荷重”を強調した表示になります。
なお、つり荷重の表示は、従来通り10kg単位で表示する、高精度仕様のままです。
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■分解仕様(オプション)改良点

①分解後の各部品の質量「1t未満」への軽量化
「分解方法を変更」することで、部品ごとの質量を1t未満に抑えています。
改良前と改良後の分解した部品の「違い」を下記に示します。これまで質量が1tを超えていた「台車ASSY(1430kg)」を、エンジン部とトラックフレーム部に細分化しています。
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                                『URW376C4RA』 改良前と改良後の部品比較

②分解/組立に要する時間を大幅に削減
各部品構造を丁寧に見直したことにより、分解作業に要する時間は、従来機と比較して「約40%削減」、組立作業においても従来機と比較して「約30%削減」しています(当社調べ:2人作業時)。
分解作業/組立作業所要時間の削減量比較.png
分解作業/組立作業所要時間の削減量比較
③台車部とフレーム部の改良:フラットフェイスカプラ*1の採用
台車部とフレーム部における、油圧回路(高圧ゴムホース部)の着脱には、油漏れが少ないフラットフェイスカプラを採用しています。作動油のリーク量も少ない構造であるとともにカプラ※2*2のOリングの耐久性も向上しました。また、カプラの配置位置を見直すことで、カプラ着脱の作業性の向上も図っています。
台車部とフレーム部の改良:フラットフェイスカプラの採用.jpg

2カプラ:配管の接続を押し込むだけでできる部品。

*1フラットフェイスカプラは日東工器株式会社の登録商標です。
*2カプラは日東工器株式会社の登録商標です。

④デリックシリンダ※3の処理
デリックシリンダは、フックを取り外した後のクレーンワイヤロープを活用しています。ワイヤロープ先端をシリンダ中央部の着脱可能なブラケットに固定させることで、デリックシリンダの自重を利用して保持させることにより、輸送・組立作業の効率を改善しています。
デリックシリンダの処理.png
※3デリックシリンダ:クレーンのブームを起伏させる装置。
⑤分解作業ならびに分解後の輸送をより効率的にする、新オプションの設定
次の3つの専用オプションを使用すると、分解作業ならびに分解後の輸送作業がより効率的に進めることができます。
・分解オプション①:分解仕様専用台座
下記の左図は、分解後のブーム部の分解仕様専用台座です。台座の質量は45kgあります。ブームだけでなく、フック、取り外したデリックシリンダも、ともに収納可能です。 下記の右図は、分解後のフレーム部の台座です。質量は合計10kgあります。
分解仕様専用台座①.png
分解仕様専用台座②.png
・分解オプション②:分解仕様専用吊具
分解仕様専用吊具は、分解パーツに合わせて長さ調整が可能です。
分解仕様専用吊具.jpg
・分解オプション③:分解仕様専用工具セット
分解仕様専用工具を用意し、分解/組立作業に必要な工具一式をそろえています。
分解仕様専用工具セット.png

販売製品一覧

ディーゼルエンジン仕様
・URW375C4RA1[5段ブーム、ML警報型※4]
・URW375C4RA2[5段ブーム、ML停止型※5]
・URW376C4RA1[6段ブーム、ML警報型]
・URW376C4RA2[6段ブーム、ML停止型]
ディーゼルエンジン、電動パワーユニット併用仕様
・URW375C4MRA1[5段ブーム、ML警報型]
・URW375C4MRA2[5段ブーム、ML停止型]
・URW376C4MRA1[6段ブーム、ML警報型]
・URW376C4MRA2[6段ブーム、ML停止型]
<オプション:分解仕様 対応機種>
ディーゼルエンジン仕様
・URW375C4RA1[5段ブーム、ML警報型]
・URW375C4RA2[5段ブーム、ML停止型]
・URW376C4RA1[6段ブーム、ML警報型]
・URW376C4RA2[6段ブーム、ML停止型]

※4 ML警報型:定格荷重を超えるおそれがある場合、予告警報と限界警報の2段階の警音で危険をお知らせします。

※5 ML停止型:予告警報と限界警報の2段階の警音に加え、定格荷重を超えた場合、クレーンの作動を自動で停止します。

標準価格・販売目標

■標準価格(税別価格)

URW370Cシリーズ

駆動タイプ 最大クレーン容量 標準価格(税抜価格)
ディーゼルエンジン 2.93t×2.5m

1330万円~
※仕様により異なる

ディーゼルエンジン
(電動パワーユニット併用)

2.93t×2.5m

1440万円~
(1309万円~)
※仕様により異なる

■販売目標

年間60台

ミニ・クローラクレーンとは

クローラによる走行機能を有し、コンパクトなボディに4本のアウトリガを装備した移動式クレーンです。トラックが入り込めない建設現場や不整地、屋内作業現場でのクレーン作業が可能で、室内ドアより幅が狭く限られたスペースへの搬入ができる非乗車型モデル、ストレートブームでは世界最大クラスのつり上げ能力を誇る10t吊りの乗車型モデル、環境に配慮した排気ガスゼロの電動モデルなど充実のラインナップで、幅広い作業に対応しています。

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