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新興国向けに油圧クローラドリルの新シリーズを販売開始 ~燃費低減と高いせん孔性能を実現~

2023年01月16日

 当社(社長:中戸川 稔)グループの中核事業会社で、ロックドリル部門を担う古河ロックドリル株式会社(東京都千代田区、社長:荻野 正浩)は、新興国向けに排出ガス3次規制対応と同等の最新エンジンと最先端の低燃費化技術「スーパーエコノミーモードPLUS」のほか、「セミオートドリリング制御iDS」を搭載する油圧クローラドリルの新シリーズ『HCR L100-E3』を開発し、2022年12月より販売を開始しました。

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油圧クローラドリル『HCR L100-E3』

油圧クローラドリル『HCR L100-E3』

 古河ロックドリルは、主力製品として油圧クローラドリル『HCRシリーズ』をラインナップしています。『HCRシリーズ』のなかでも大孔径せん孔が可能な現有製品『HCR1500-EDII』は、最大せん孔径Φ127mmで、主に石灰石鉱山や金・銀等の非鉄金属鉱山、鉄鉱石鉱山等で使用されてきました。近年では、コロナ禍などを背景に資源価格が高騰し、より効率的に生産量増が期待できる『HCR1500-EDII』の需要が高まっています。古河ロックドリルは、更なる燃費低減とせん孔性能向上を実現するため、『HCR1500-EDII』の後継機種として油圧クローラドリルの新シリーズとなる『HCR L100-E3』を開発しました。
 『HCR L100-E3』は、排出ガス3次規制対応と同等の最新モデルのエンジン(高出力電子制御式ディーゼルエンジン)を搭載したほか、最先端の低燃費化技術「スーパーエコノミーモードPLUS[後述の特徴③参照]」により、岩質に応じた適正なエンジン回転速度を選択することで、燃料消費量を低減し、環境に配慮しました。
更に、岩質の変化に応じて最適なせん孔状態を自動制御する「セミオートドリリング制御iDS(Intelligent Drilling System)」[後述の特徴④参照]により、よりスムーズなせん孔を可能にしたほか、生産効率悪化の要因となる孔曲がりの軽減やドリリングアクセサリの長寿命化を実現させました。今後、新興国の東南アジアやアフリカのほか、豪州などにおいて同製品を展開していきます。
 古河ロックドリルは、引き続き製品開発に取り組むとともに油圧クローラドリルの新シリーズとなる『HCR Lシリーズ』の更なるラインナップ強化を図り、国内外のインフラ発展に貢献していきます。

『HCR L100-E3』の特徴

①油圧ドリフタ HD715を搭載

デュアルダンパ機構※とエネルギー伝達効率を極めたくさび型ピストン形状により、異なる岩質に幅広く、すばやく対応します。負荷に応じた最適な制御をすることで、高い破砕効率を実現しました。複雑な操作もなく、ムダのないパワーで安定した快適なせん孔ができます。

※デュアルダンパ機構:デュアルダンパ(特殊構造の衝撃緩衝装置)により、ビットの刃先を岩盤に押し付け、打撃ピストンの衝撃波のエネルギーを確実にビットの刃先に伝達して岩盤を破砕することができ、適正な推力でのせん孔を可能とします。

②排出ガス3次規制対応と同等の最新エンジン搭載
排出ガス3次規制対応と同等の高出力電子制御式ディーゼルエンジンを搭載し、エンジンの情報を表示するディスプレー装置を標準装備しています。
③最先端の低燃費化技術「スーパーエコノミーモードPLUS」

せん孔作業(打撃&ブロー操作)時のエンジン回転速度を1600・1800・2000・2200min-1の4段階より選択できます。岩質に応じて適正なエンジン回転速度を選択することで、打撃性能を維持しながら燃費改善に貢献する最先端の低燃費化技術です。(特許取得済)
スーパーエコノミーモードに「コンプレッサ・新アンロード制御」、「新オートスロットル制御」を加えた新システムをPLUSすることでいっそうの燃費低減を図りました。

  • コンプレッサ・新アンロード制御
    コンプレッサ待機動力を最小限に抑えるフラッシング連動式アンロード制御をPLUSしました。
    エンジンの負荷軽減に連動し低燃費化を実現しています。(特許取得済)
  • 新オートスロットル制御
    作業に合わせてエンジン回転速度を自動制御する機能をPLUSしました。
    未作業時には自動的にアイドリングにすることで燃費低減を図ったシステムです。(特許取得済)
④革新の「セミオートドリリング制御 iDS(Intelligent Drilling System)」
岩質の変化に応じた最適なせん孔状態に自動制御するiDS(インテリジェント・ドリリング・システム)を標準装備。回転圧異常、ビット目詰まりを検知して、自動的にドリフタを後退させる従来のアンチジャミングに加え、オートフィードストップ機能を追加し、従来以上の孔曲がり軽減やドリリングアクセサリの長寿命化が可能です。
⑤快適なキャビン&ゆとりの運転環境
全方向に広々とした視界を確保したキャビンには、ROPS/FOPS仕様(転倒時保護構造/落下物保護構造)を採用しています。また、快適な室内環境を保つ外気導入型エアコンを標準装備。気密性が高く、多様な稼動条件のもとでも快適な作業ができます。

⑥セミオートタイプのロッドチェンジャ

1本のロッドチェンジャ操作レバーを一方向に倒すだけで、ロッドの「継足」から「回収」まで、一連の複合動作を連続して行うセミオートタイプのロッドチェンジャを装備。スピーディな動きでサイクルタイムを短縮します。

主要諸元・販売価格・販売目標

【主要諸元】

モデル名称 HCR L100-E3
質量 17,370 kg
搭載ドリフタ HD715
エンジン キャタピラー
C9.3B
280kW/2200min-1
コンプレッサ 北越工業
PDSF290
13.5m3 1.03MPa
ロッドチェンジャ GR802
12ft
T51 6(本格納)+1(スタータロッド)
せん孔径 Φ90~127mm
【販売価格】
オープン価格
【販売目標】
台数:初年度20台

油圧クローラドリルとは

 発破用の火薬を装填するため下向きにせん孔する(岩盤に孔(あな)を開ける)自走式機械です。鉱山や砕石場等の露天掘り掘削現場では油圧クローラドリルでせん孔し、岩盤を発破することにより石を採取します。国内外の現場で活躍しており、インフラ開発を支える原材料となる砕石や石灰石や、金・銀等の非鉄金属鉱山、鉄鉱石鉱山等の鉱石採掘に貢献しています。せん孔する孔の大きさにより火薬量が変わり、発破後の石の生産量が増減します。油圧クローラドリルはせん孔する孔の大きさによりサイズが異なるため、現場の生産規模の合ったサイズ選定が必要です。

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