大型油圧クローラドリルを開発し製品ラインナップを強化
2019年12月25日
- 大孔径、高いせん孔性能、燃費低減を実現 -
当社グループの中核事業会社である古河ロックドリル株式会社(東京都中央区日本橋1-5-3 社長:阿部裕之)は、大型油圧クローラドリル『HCR1800-EDⅡ』を開発し、本年12月より国内販売を開始しました。
古河ロックドリルは、油圧クローラドリルにおいて、国内約65%のシェア※1を有しており、その主力製品として『HCRシリーズ』をラインナップし、販売しております。
油圧クローラドリルは、岩石を破砕する砕石現場や大型土木工事で主に使用されており、従来の『HCRシリーズ』の最大ロッドサイズはT51※2、最大せん孔径はΦ127mmとしていました。
この度、開発した大型油圧クローラドリル『HCR1800-EDⅡ』は、大径ロッドT60クラス対応の新型油圧ドリフタHD836により『HCRシリーズ』最大となるせん孔径Φ152mmを実現します。より大きいビットおよびロッドを搭載することにより大孔径、高い直進性、スピーディーなせん孔を可能にするとともに、パワーユニット(エンジン、油圧ポンプ、コンプレッサ)は下位機種と同一のままでこれを実現したことで、ダウンサイジングを可能としました。また、オフロード法2014年基準適合クリーンエンジンを採用し、メンテナンスコストの低減を実現させたほか、最先端の低燃費化技術「スーパーエコノミーモードPLUS」を搭載したことで、岩質に応じて適正なエンジン回転速度を選択することが可能となり、燃料消費量の低減を実現させました。
古河ロックドリルでは、国内だけでなく2019年度上期から先行販売している欧米地域においても、『HCR1800-EDⅡ』の拡販に努めるとともに、引き続き、製品ラインナップを強化した『HCRシリーズ』の販売強化に取り組んでまいります。
- ※1シェアは当社調べ。
- ※2直径51㎜のロッド。
価 格
定価:96,000千円(税別)
販売目標
台数:初年度20台(海外含む)
特 徴
- 1大孔径対応の高出力型油圧ドリフタ HD836を搭載
デュアルダンパ機構とエネルギー伝達効率を極めたくさび型ピストン形状及び新ピストン作動機構により、異なる岩質に幅広く、すばやく対応します。負荷に応じた最適な制御をすることで、高い破砕効率を実現しました。複雑な操作もなく、ムダのないパワーで安定した快適なせん孔ができます。
- 2革新のセミオートドリリング制御 iDS(Intelligent Drilling System)
岩質の変化に応じた最適なせん孔状態に自動制御するiDS(インテリジェント・ドリリング・システム)を標準装備。回転圧異常、ビット目詰まりを検知して、自動的にドリフタを後退させる従来のアンチジャミングに加え、フィード・回転・打撃の3要素をバランスさせたスムーズなせん孔が可能です。
- 3環境にやさしいオフロード法2014年基準適合クリーンエンジン搭載
先進の排気ガス浄化技術「尿素SCRシステム」を採用した、オフロード法2014年基準に適合したクリーンエンジンは、コモンレール式燃料噴射装置、排ガス処理装置、排ガス再循環装置等を装備して、環境有害物質のPM(粒子化合物)・NOx(窒素酸化物)ともに低減した最高レベルの低排出ガス成分を実現したエンジンです。
- 4最先端の低燃費化技術「スーパーエコノミーモードPLUS」
iMSモニタ画面で、せん孔作業(打撃&ブロー操作)時のエンジン回転速度を1600・1800・2000・2200min-1の4段階より選択できます。岩質に応じて適正なエンジン回転速度を選択することで、打撃性能を維持しながら燃費改善に貢献する最先端の低燃費化技術です。(特許取得済)
スーパーエコノミーモードに「コンプレッサ・新アンロード制御」、「新オートスロットル制御」を加えた新システムをPLUSすることでいっそうの燃費低減を図りました。- コンプレッサ・新アンロード制御
コンプレッサ待機動力を最小限に抑えるフラッシング連動式アンロード制御をPLUS。 エンジンの負荷軽減に連動し低燃費化を実現しています。(特許取得済)
- 新オートスロットル制御
作業に合わせてエンジン回転速度を自動制御する機能をPLUS。
未作業時には自動的にアイドリングにすることで燃費低減を図ったシステムです。(特許取得済)
- コンプレッサ・新アンロード制御
- 5機体のコンディションが一目でわかる iMS(Intelligent Monitoring System)
7インチカラー液晶パネルに機体の稼働情報やメンテナンス情報を集中表示。各種設定や作動中に生じたエラー履歴やメンテナンスが必要な個所についての情報をインフォメーションディスプレイ上に表示します。
- 6快適なキャビン&ゆとりの運転環境
全方向に広々とした視界を確保したキャビンには、ROPS/FOPS仕様(転倒時保護構造/落下物保護構造)を採用しています。また、快適な室内環境を保つ外気導入型エアコンを標準装備。気密性が高く、多様な稼動条件のもとでも快適な作業ができます。
- 7セミオートタイプのロッドチェンジャ
1本のロッドチェンジャ操作レバーを一方向に倒すだけで、ロッドの「継足」から「回収」まで、一連の複合動作を連続して行うワンアクション型セミオートタイプのロッドチェンジャを装備。スピーディな動きでサイクルタイムを短縮します。また、左コンソールボックスの側面には、調整用の個別操作チェンジャコントロールスイッチを装備。ロッドチェンジャの作動確認や芯出し調整を行うときに使用します。
主要諸元
モデル名称 | HCR1800-EDⅡ |
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質量 | 19,830 kg |
搭載ドリフタ | HD836 |
エンジン | キャタピラー C9.3(Tier4Final StageⅣ) 261kW/2200min-1 |
コンプレッサ | 北越工業 PDSF290 13.5㎥ 1.03MPa |
ロッドチェンジャ | GR803 14ft ST58、GT60 7(本格納)+1(スタータロッド) GT60Tube 6(本格納)+1(スタータロッド) |
せん孔径 | Φ102~140mm(ST58、GT60) Φ102~152mm (GT60Tube) |
お問い合せ先
古河ロックドリル株式会社
営業企画部
以上