interview

無理難題に
挑みつづけて、
人類は、進歩してきた。

研究開発

いわき工場
開発課 開発チーム

T.O.

2024年入社
創造理工学部 環境資源工学科 卒

素材から、 世界は変わる。

高校時代、地学の授業で鉱物に触れたことがあります。虹色に光っていたり、幾何学的な不思議な模様を持っていたり。なぜこんな色になるんだろう。なぜこの形で結晶になるんだろう。その背景をたどると、化学や物理をはじめとするさまざまな知識につながります。ひとつの分野だけでは捉えきれないものを、複合的な視点で考えていく面白さに魅了され、岩石や金属という分野に興味を持ちました。そして、大学への進路を考えていたころ、あるテレビ番組で、IoTの普及によって銅の需要が伸びていくという話を耳にしました。

新しい機器やサービスが次々に生まれても、電気や情報を運ぶための素材がなければ、その進歩は実現できない。地学の授業で感じた素材への興味が、実社会の変化とつながって、「この分野を専門にしたい」と思うようになりました。大学では環境資源工学を専攻し、金属のリサイクルについて研究。就活では非鉄金属業界を志望し、銅をはじめ、世界トップクラスのシェアを持つ素材を生みだしている点に惹かれ、古河機械金属に入社しました。

何百回でも、 試しつづける。

現在は、半導体製造装置などに使われる窒化アルミニウムというセラミックス材料を開発しています。もともと熱を伝えやすく、電気を通しにくい材料ですが、求めているのはより高い水準。超高温でも性能を保てること。圧力や衝撃に強く、壊れにくいこと...。実験では、粉末状の材料を固め、焼く温度や冷まし方、加える別の材料を変えながら、手のひらサイズの試料をつくります。わずかな条件の違いで、抵抗や強度が変わります。何をどこまで変えれば、求める性能に近づけるのか。その組み合わせを、日々追い求めています。

このテーマは、取り組みはじめてから2年以上経過しています。感覚としては、ゴールの8割ほどのところまで来ていますが、最後の壁を越えられずに悪戦苦闘しているところです。論文や特許から似たような事例を探して手がかりを拾い、自分の実験条件に置き換えて、また試す。その繰り返しを、何十回も、何百回も行います。つくった試料は、抵抗や強度を外部の測定機関に依頼して測ってもらいます。結果をまとめたレポートが届く瞬間は、合格発表を見るようで毎回緊張しますね。ただ、期待した数字が出たとしても、それだけで成功とは言えないのが難しいところ。どの条件が結果に影響したのか、同じ条件で再現できるのか。そこまでクリアにして、はじめて「うまくいった」と言えるのです。

誰も知らない 答えに挑む。

入社したばかりの頃は、先輩が決めた条件どおりに試料をつくっても、なぜその条件にしたのか、結果の何を重視すべきなのかもわかりませんでした。ですが、実験を重ねるうちに「前回との差はここだから、次はこの条件を変えてみよう」と考えられるようになっていきました。材料開発では、すぐにゴールにたどり着けるケースは稀です。求められる性能を細分化し、影響しそうな条件を洗い出して、一つずつ実験で確かめていく地道なプロセスを踏むしかありません。でも、途方もなく見える課題でも、実験できる問いに置き換えられれば、次の一手が必ず見つかります。

考えてみれば、いまは世の中で当たり前の技術も、最初は無謀な願いだったはず。空を飛びたい。宇宙へ行きたい。遠く離れた人と瞬時につながりたい。人間は、そんな願いをひとつずつ具体的な課題に変え、実現への道筋を探してきました。私が向き合っているのも、まだ誰も答えを知らない材料の開発です。手のひらに乗るほどのわずかな試料ですが、ひとつ、性能の壁を越えるごとに、その先にある半導体技術も、一歩前進する。目の前の実験が、いつか社会の当たり前につながる日のことを想像しながら、今日も材料と向き合っています。

MY UNIQUE PATH

学生時代
高校時代の地学の授業をきっかけに、岩石や金属の世界へ。大学では環境資源工学を専攻し、金属のリサイクルについて研究。
就活時代
非鉄金属業界を軸に就職活動を行う。銅をはじめ、世界トップクラスのシェアを持つ素材を生みだしている点に魅力を感じ、古河機械金属へ入社。
入社1年目
半年間の研修を経て、いわき工場の開発課へ配属。先輩の実験を手伝いながら基礎を学び、年明けには初めて一人で開発テーマを任された。
現在
半導体製造の過程で必要となる、窒化アルミニウム材料の開発を担当。実験条件の検討から分析、特許調査まで担い、求める性能の実現に向けて試行錯誤をつづけている。