interview

僕が見たいものは、
先が見えない
ほうにある。

研究開発

技術統括本部
開発部 素材系グループ

K.A.

2023年入社
理工学研究科 量子線科学専攻 修了

化学の不思議に 魅せられて。

これとこれ、混ぜたらどうなるんだろう…?何が起こるか分からないワクワク感。自分の想像外のものに触れてみたい気持ち。化学系の学部に進んだのはシンプルな理由でした。大学院での研究分野は銀ナノ粒子。よく分からないことを言ってしまうと思いますが、銀って、粒子をナノレベルまで小さくすると銀色から黄色に変わるんです。ただ、小さくなった粒子は再び元の銀色に戻ろうと"凝集"する。それを阻止して定着させれば、まだ世の中にない黄色顔料をつくれるんじゃないか。そんな研究をしていました。

化学は不思議で面白い。それだけじゃなく、自分が学んだことや考えたこと、発見したことが社会に実装され、人の役に立っていく。その高揚が、働き始めてからもずっとつづいています。古河機械金属に入社後、研究対象は銀から銅に変わりました。巨大なプラントでつくられる銅粉は世界中に出荷され、電子機器や自動車部品などの材料となり、さまざまな産業を支えている。学生時代、机の上で数mg単位の銀を作製していたのと比較にならないスケール感に、まずは圧倒されました。

遠回りしても、 本質を探求する。

入社2年目になると銅粉プラントをひとつ任され、銅粉の開発から生産量の管理、品質管理まで責任を持つようになりました。ある時、新規の大口取引をご検討中のお客様から、お送りしたサンプルの品質についてご要望をいただきました。銅粉は粒の大きさが揃っているほどいいのですが、粒子同士が寄り集まろうとする凝集の性質によって、どうしても少し大きな粒が混じってしまいます。その割合を極限まで抑えてほしいという要望でした。大学院時代にも手を焼いた性質であり、勝手が分かる部分もある。急ぎ対応策を考え、上司に報告しました。

しかし、返ってきたのは「ちゃんと自分の頭で考えたのか?」という厳しい言葉…。正直に言うと、自覚がありました。これまでの経験をもとにした手近な方法、応急処置的な対応になっていることを、上司には見抜かれていたんです。それから1ヶ月かけて、すべての製造工程を見直し、凝集の原因を徹底的につぶしていきました。無事に大口契約が決まったこと以上に、「やればできるじゃねえか」という上司の言葉が嬉しかったです。目の前にある安直な道を選ぶのではなく、たとえ遠回りだったとしても、本質的な答えを探求する。技術者として大切な姿勢を教わった出来事でした。

世界の誰も、 正解を知らないもの。

入社3年目の10月から、先行研究を行う部署の所属になりました。古河機械金属の基幹事業として確立された銅分野ではなく、まったく新しい領域に挑戦したくなり、自ら異動を希望したんです。取り組んでいるのは、全固体電池材料の研究。全固体電池とは、リチウムイオン電池の電解液を固体にしたもので、発火リスクが低く、電池寿命が長い上に急速充電が可能な“夢のバッテリー”。各社が研究を進めていますが、実用化には至っていません。

当社は約20年前から全固体電池材料の開発を始め、他社と異なる方法で量産化を試みるなど、独自の研究を進めてきました。とはいえ、配属された2025年時点でも、まだ課題の多い状態。開発チームから上がってくる試験素材の分析を任され、さまざまな手法を試し、出てきた数値を考察して、また別のやり方を試す。そんな繰り返しの中で、少しずつデータの信頼性を向上させてきました。

分析精度の向上により、判明したことがあります。それは、過去20年の研究の中で、実は成功に近い数値が出ていたこと。先の見えない20年の間にも、古河機械金属は前進していた。そう思うとグッとくるものがありました。先人たちの想いを受け継いで、僕は、この先の景色を見に行きます。

MY UNIQUE PATH

学生時代
銀ナノ粒子の研究を通じて、化学の奥深さと社会貢献性を実感。研究内容を活かすために非鉄金属業界に絞って就活を行う。古河機械金属が提供する製品の幅広さや技術力に惹かれて入社。
入社1年目
化成品部門のある大阪工場に配属。亜酸化銅を原料とする古河機械金属の強みを活かした製法を用い、電子部品などの材料となる銅粉の製造を担う。
入社2〜3年目
銅粉プラントの主担当として、開発から生産管理・品質管理まで担当。クライアントや社内からの高い品質要求に応える中で、技術とスタンスを磨く。銅粉の品質を上げるための技術で特許出願も経験する。(申請中)
現在
先端分野の研究開発を行う技術統括本部に異動となり、固体電解質材料の分析を担当。次世代バッテリーの実用化に向けて、研究に熱を注いでいる。