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ニュースリリース2012

アルミ溶湯への鉄分溶出を抑制する特殊鋼『トケナイト』を開発

- 高品質なアルミダイカスト製品の製造に大きく貢献-

2012年09月14日

当社グループの古河キャステック株式会社(東京都千代田区丸の内2-2-3 社長:本多幸一)は、アルミダイカスト製品(アルミ鋳物)の製造過程で生じるアルミ溶湯(溶解したアルミニウム)への鉄分溶出を抑制する特殊鋼『トケナイト』(特許申請中)を開発しました。

開発した特殊鋼『トケナイト』は、以前からアルミダイカスト製品製造設備の鋳物素材として広く使用されてきた『ねずみ鋳鉄(FC250)』に比べ、アルミニウムによる鉄分溶損に対する耐性が強いことから、アルミダイカスト製品製造において発生するアルミ溶湯への鉄分の溶出(コンタミ)量を1/1,600まで抑えられることがこれまでの試験で確認されております(※1)。これにより、アルミダイカスト製品の品質向上だけではなく、アルミダイカスト製品製造設備で使用される消耗部品の寿命も伸ばせることから、製造コストの削減にも大きく寄与することが期待されます。また、濡れ性が悪いためアルミをはじく性能に優れており、温度変化にも強く、鋳物素材であるためあらゆる形状での製作ができ、多様な用途への活用も可能であります。

アルミダイカスト製品は、自動車の軽量化のため車載部品として広く使用されております。近年、燃費向上やエコカー開発等を背景に、車両の軽量化に対する要望はますます強まっていることから、アルミダイカスト製品の薄肉化とそれに伴う強度の向上は重要な課題となっております。強度の向上のためにはコンタミ防止による品質向上が必要不可欠であり、アルミダイカスト製品から不純物をできるだけ排除するために、これまで製造過程において生じていた鉄分のアルミ溶湯への溶出をいかにして防ぐかが、大きな課題でありました。

これまでの対応策としては、主にアルミダイカスト製品製造で使用する鋳物類(※2)に特殊なコーティング処理を施すことによってアルミ溶湯への鉄分溶出を防いでおりましたが、コーティング効果の持続性は不安定であり、従ってアルミダイカスト製品製造設備で使用される消耗部品の寿命延長も厳しく、改善が望まれておりました。 この度、開発した『トケナイト』は、特殊な製造方法により素材表面にアルミ溶損に強い特殊皮膜を形成させることで、アルミ溶湯内で鉄分の溶出を抑制するものであります。また鋳物類の寿命を伸ばすことが可能となることから、アルミダイカスト製品製造における生産効率の向上とコスト削減の両面に寄与することが期待されます。

古河キャステック株式会社は、当社グループのルーツである足尾銅山の修理工場を前身としており、昭和25年より耐熱・耐摩耗鋳物の生産を開始しました。これまで重工業分野で安定的に部品の供給を行ってきましたが、今後はさらにアルミダイカスト業界向けに『トケナイト』を展開していく予定で、アルミダイカスト業界の発展に貢献してまいります。

  • ※1 日本軽金属株式会社様と共同で性能評価した結果の数値。
  • (日本軽金属評価法 アルミ溶湯 99.99% 温度 750℃ テスト時間 12時間)
  • ※2 アルミダイカスト製品製造で使用する鋳物類の例:るつぼ、ラドル、ノロカキ

《トケナイトの特徴》

  • アルミ溶湯への鉄分溶出(コンタミ)を抑制
    • 従来アルミダイカスト製品製造設備の素材として広く使われてきた『ねずみ鋳鉄(FC250)』に比べアルミニウムによる鉄分溶損に対する耐性が強いことから、アルミダイカスト製品製造において発生するアルミ溶湯への鉄分の溶出量を大幅に抑えることが可能。

    『トケナイト』と『ねずみ鋳鉄(FC)』との鉄分溶出比較

  • 濡れ性が悪いためアルミをはじく性能に優れる
    • 濡れ性が悪いと図のAのようにアルミ溶湯との接触角が大きく(接触面が少なく)なり、アルミをはじきやすい。
    • 1,2の特徴を有するため、従来、鉄分溶出やアルミ酸化物などの異物混入を防止するために必要だった鋳物類へのコーティング処理が必要なく、アルミダイカスト製品の品質向上が可能となります。
    濡れ性を表すイメージ図
    • 濡れ性が悪い・・・図Aのように表面の水滴の接触角が大きい状態
    • 濡れ性がよい・・・図Cのように表面の水滴の接触角が小さい状態
  • 温度変化に強い
    • 耐熱鋳鋼であるため、ねずみ鋳鉄に比べ伸びもあり、急速な温度変化に強く割れにくい。
  • 鋳物素材であるためあらゆる形状での製作が可能

《お問い合わせ先》

古河キャステック株式会社 足尾工場 TEL:0288-56-1850 担当:武田・加藤

以上

古河機械金属グループ